治療方針のお悩みですね。
診断、治療方針が妥当かどうかは実際にもっとたくさんの情報がないと判断できません。
そして実際に何らかの処置を行ったとしても、それが間違っていたかどうかということも実は判断できません。
例えば頑張って歯を残して治療を行ってみたけれども痛みが続いて病巣が広がり、結局その隣の歯まで抜くことになってしまったという結果があった場合、では最初から抜いておいたほうが良かった、とすぐに言えるでしょうか?
今回の件でいうとそのすべての処置方針が妥当であるとも言えます。
根管治療などでは、特にアメリカなどがそうなんですが、長期的な予後を統計的に取っていくと
根管治療を行っても10年持つかどうかといわれると、その成功率から考えると
インプラントよりも低い、ということは
根管治療を一生懸命するよりも
インプラントのほうがいい、という結論になって実際にそういうことが行われています。
(費用的には
インプラントでも
根管治療でも、おそらくそれほど変わらないという事情もあります。)
あともう一点、今回矯正治療に
マウスピース矯正を行う予定のようですが、
ワイヤー矯正なら8番を起こして利用するということもできるかもしれません。
マウスピース矯正ではこの点については不可能なので、そういう話も出てこなかった可能性があります。
このように視点を変えると何が良くて何が悪いかも変わってきます。
インプラントの話も、
インプラントを利用しての矯正ということも考えられますし、逆にその方が確実に矯正ができる可能性もあります。
マウスピース矯正ではこのようは考え方はしませんし、できません。
考え方、治療方法は言い出すとそれこそもっと考えられるんですが、結局はそれを中心となってやる(やれる)ドクターの判断ということになるので、歯を抜かないで考える先生もいるかもしれません。
(移植なども適応かもしれませんが、これもする先生が少ないかもしれません。)
とても先生によって判断が分かれる症例だと思うので、しっかり納得してから処置をしてもらうことをお勧めします。