歯のお悩み相談詳細

ご相談

差し歯の下の歯根が欠けている場合の治療について教えてください

素と子様51歳男性
20年程前に上の前歯3本(正面2本+その横の1本)が折れてしまい、ここ20年程、前歯3本が差し歯の状態でした。
数ヶ月前に前歯で野菜スティックを噛んだ際に、3本の真ん中の差し歯(正面の歯)がずれた間隔がありましたが、その後特に支障がなかったためそのまま放置しておりました。
しかし最近、真ん中の差し歯がぐらつきはじめ、更に数日前から歯茎が腫れ痛みを感じるようになったため、先日、職場付近の歯科に初診で診ていただきました。
診察の結果、以下のように伝えられました。

・レントゲン及び触診の結果より、真ん中の差し歯の下の歯根が欠けている可能性がある。
(なお、「差し歯の金属の土台」と「欠けた部分の歯根」はくっついている模様)
・差し歯と歯根の間に隙間がありその内部が虫歯になっている。その結果、歯茎が腫れたようだ。差し歯を外して虫歯を治療する必要がある。(なお応急処置として腫れた部分の歯茎を切開の上、膿を出していただきました)
・次回の来院時に、ぐらついている真ん中の差し歯を外してみる。その結果、歯根がどの程度欠けているが明らかになる。
・歯根が割と浅い部分で欠けている場合は、虫歯を治療した上で、再度差し歯の下の歯根として活用できるため、新たな差し歯を付け替える。
・しかし割と深い部分で欠けている場合は、その歯根を活用できないため抜歯する。
・(幸いにも)該当する歯の左右の歯が差し歯であるため、(3本の)ブリッジにより、前歯を再生する。
・ちなみにインプラントでの治療もあるが保険適用外のため高額になる。

以上のような治療方針を非常にわかりやすく伝えていただきました。
ぐらついている差し歯を外してみないとわからないところですが、先生がおっしゃるには、「歯茎の腫れた位置より、割りと深い位置で欠けていることが考られる。前歯3本ブリッジでの治療になる可能性が高いのではないか。」とのことでした。
相談したい内容は、

相談内容1:私のような状態の場合、説明いただいた治療方法が適切でしょうか? 別の適切な治療方法はありますでしょうか?

相談内容2:3本ブリッジでの治療を行う場合、歯根は残しておいても意味がなく抜歯という対応になるのでしょうか?

相談内容3:前歯をブリッジにした場合、今後の食生活において、不自由が生じることはありますか? また注意すべきことがありますでしょうか?

以上、よろしくお願いします。

玉置 敬一 先生からの回答

玉置 敬一
和歌山県
玉置歯科医院
玉置 敬一先生
素と子 様

20年間何も意識せずに噛めるような治療をしてもらっていたのは幸いでしたね。
しかし、その歯が、ずれたり腫れたりするととても心配なことと思います。
ご質問は大変よくまとめられており、内容がよく分かりました。
わたくしがこの文面から受ける感想は「よい歯科医師に出会われましたね」という思いです。
この歯科医師は、あなたの口腔の状態をよく考えた上で、的確な判断をされており、診断結果と治療方針をお話しになっていると考えます。

もう少し細かくお答えします。

> ・レントゲン及び触診の結果より、真ん中の差し歯の下の歯根が欠けている可能性がある。
> (なお、「差し歯の金属の土台」と「欠けた部分の歯根」はくっついている模様)

慎重な診断方法だと思います。
CTを使って3次元の画像で見るともう少し分かりやすいでしょうが、放射線量が多くなるために2次元の画像で十分な診断ができると思います。


> ・差し歯と歯根の間に隙間がありその内部が虫歯になっている。その結果、歯茎が腫れたようだ。差し歯を外して虫歯を治療する必要がある。

破折しているであろう歯根をあきらめずに、なんとか残そうと努力している様子が見て取れます。


> (なお応急処置として腫れた部分の歯茎を切開の上、膿を出していただきました)

的確な治療法だと思います。


> ・次回の来院時に、ぐらついている真ん中の差し歯を外してみる。その結果、歯根がどの程度欠けているが明らかになる。

その通りです。


> ・歯根が割と浅い部分で欠けている場合は、虫歯を治療した上で、再度差し歯の下の歯根として活用できるため、新たな差し歯を付け替える。

とても良心的な治療方針です。


> ・しかし割と深い部分で欠けている場合は、その歯根を活用できないため抜歯する。

その通りで、残念ながら残せる見込みは少ないと考えます。


> ・(幸いにも)該当する歯の左右の歯が差し歯であるため、(3本の)ブリッジにより、前歯を再生する。

とてもよく分かる治療方法です。


> ・ちなみにインプラントでの治療もあるが保険適用外のため高額になる。

今回破折した歯の両側が全く触っていない歯(永久歯が生えてきたそのままの姿)の場合はインプラントも選択肢と考えてくれているかもしれませんが、両側が既に治療のあとがあるのですから、その歯にかぶせなおしてブリッジにしようと考えてくれたのだと思います。


> 以上のような治療方針を非常にわかりやすく伝えていただきました。

患者さんに治療方針を分かりやすくお伝えするのは難しい事が多いのですが、ご本人が納得するようにお話をしてくれた事はよかったと思います。


> ぐらついている差し歯を外してみないとわからないところですが、先生がおっしゃるには、「歯茎の腫れた位置より、割りと深い位置で欠けていることが考られる。前歯3本ブリッジでの治療になる可能性が高いのではないか。」とのことでした。

その通りだと考えます。


> 相談したい内容は、
> 相談内容1:私のような状態の場合、説明いただいた治療方法が適切でしょうか? 

文面から見る限り、適切です。


> 別の適切な治療方法はありますでしょうか?

考えなくてよいと思います。


> 相談内容2:3本ブリッジでの治療を行う場合、歯根は残しておいても意味がなく抜歯という対応になるのでしょうか?

破折している部分が「深い場合」という事ですから、残す事により後々問題が生じると考えられます。


> 相談内容3:前歯をブリッジにした場合、今後の食生活において、不自由が生じることはありますか? 

神様が作った(仏様かご先祖様かもしれません)歯がいたんだわけですから、ご自身のもともとの歯より強くなることはないと考えてください。
しかし、現在の歯科医学は結構進んでいるので、普通に食事で使ってそんなに不自由や問題が生じるとは思えません。


> また注意すべきことがありますでしょうか?

歯科医師からの説明と治療方針の伝達から想像するに、きっと予防にも力を入れている歯科医師だと思います。
ブラッシング方法や後々のメインテナンス(歯科医師や歯科衛生士によるプロフェッショナルケア)についてもよくお聞きになり、そのブリッジが長く持つようにご自身も努力してください。
これを機会に他の歯の手入れ方法もよく聞いて、「災い転じて福来る」にしてください。

河原 雅朗 先生からの回答

河原 雅朗
奈良県
かわはら歯科クリニック
河原 雅朗先生
> 相談内容1:私のような状態の場合、説明いただいた治療方法が適切でしょうか? 
別の適切な治療方法はありますでしょうか?

今の主治医の先生はとても丁寧にしっかりと説明をされているようです。
全くもって、今の主治医の先生がお話しされている通りです。
ほかの方法として考えられるのは、一本だけの入れ歯くらいです。
(あまり現実的でないので説明しなかっただけだと思います。)


> 相談内容2:3本ブリッジでの治療を行う場合、歯根は残しておいても意味がなく抜歯という対応になるのでしょうか?

そうなると思います。


> 相談内容3:前歯をブリッジにした場合、今後の食生活において、不自由が生じることはありますか?
> また注意すべきことがありますでしょうか?

どの程度の事までが不自由に感じるのかは個人差が非常にあり何とも言えません。
すかすかの総入れ歯でもなんでも噛めますという方に何人もあってきました。
まあそこまでの極端な話ではないのですが、固定性の補綴(被せなど)であれば、ほぼ不自由を感じることはないと思います。
もちろん今まで以上に残った歯には負担がかかります。
より丁寧なブラッシングなどは必要かと思います。

渡辺 英弥 先生からの回答

渡辺 英弥
福島県
渡辺歯科医院
渡辺 英弥先生
相談内容1:私のような状態の場合、説明いただいた治療方法が適切でしょうか? 
別の適切な治療方法はありますでしょうか?

ほぼその通りでないかと思います。


相談内容2:3本ブリッジでの治療を行う場合、歯根は残しておいても意味がなく抜歯という対応になるのでしょうか?

ブリッジにする場合、保存できない歯は抜歯してその両隣の歯を利用して修復します。
折れた根を残すことでまた腫れる危険があるからだと思います。


相談内容3:前歯をブリッジにした場合、今後の食生活において、不自由が生じることはありますか?
また注意すべきことがありますでしょうか?

特に不自由はないと思いますが、汚れをきちんと取らないと虫歯になる危険がありますので、定期検診が必要かと考えます。

船津 三四郎 先生からの回答

北海道
船津歯科・矯正歯科クリニック
船津 三四郎先生
素と子 様、初めまして。
前歯のトラブルで、お困りの事と拝察申し上げます。

> 相談内容1:私のような状態の場合、説明いただいた治療方法が適切でしょうか?
> 別の適切な治療方法はありますでしょうか?

ほぼ適切な説明です。
追加として、抜歯した場合、1本のみの取り外しの義歯の選択肢もあります。


> 相談内容2:3本ブリッジでの治療を行う場合、歯根は残しておいても意味がなく抜歯という対応になるのでしょうか?

現在の健康保険法では、歯根を残してブリッジは認められておりません。


> 相談内容3:前歯をブリッジにした場合、今後の食生活において、不自由が生じることはありますか?
> また注意すべきことがありますでしょうか?

注意すべき点は、ブリッジにしますと、2本の歯で3本分の力を負担する事になりますので、左右の差し歯が負担過重になり易くなります。
するめ、硬いお煎餅、分厚いたくあん、氷、飴玉等はブリッジで咬まない様に御注意される事をお勧め致します。

費用はかかりますが、骨の条件が良ければ、長い目で見ますと、インプラントがベターです。

酒井 信 先生からの回答

酒井 信
宮城県
にがたけホワイト歯科
酒井 信先生
素と子 様

残念な状況になりましたね。
お察しいたします。

担当の先生は非常にわかりやすくご説明下さったと思います。

1.ほとんどの先生がそのような治療方針をたてると思います。
2.ブリッジの方針をたてるということは、残すことができないから ということになります。
3.特に不自由になることはないと思いますが、その部分の前歯で物を咬むときに掛かる力を2本で支えることになるので、負担が大きくなりますので、今までよりも優しく噛むことをお勧めします。

歯科医院を探す

全国約68,000件の登録歯科医院より、お住まいの地域や治療内容にあった歯科医院を検索できます。

詰め物・被せ物に関するお悩み相談

お口の悩みを歯科医師に相談する

ログイン 歯の悩みを相談 歯科医院を検索