素と子 様
20年間何も意識せずに噛めるような治療をしてもらっていたのは幸いでしたね。
しかし、その歯が、ずれたり腫れたりするととても心配なことと思います。
ご質問は大変よくまとめられており、内容がよく分かりました。
わたくしがこの文面から受ける感想は「よい歯科医師に出会われましたね」という思いです。
この歯科医師は、あなたの口腔の状態をよく考えた上で、的確な判断をされており、診断結果と治療方針をお話しになっていると考えます。
もう少し細かくお答えします。
> ・
レントゲン及び触診の結果より、真ん中の
差し歯の下の
歯根が欠けている可能性がある。
> (なお、「差し歯の金属の土台」と「欠けた部分の
歯根」はくっついている模様)
慎重な診断方法だと思います。
CTを使って3次元の画像で見るともう少し分かりやすいでしょうが、放射線量が多くなるために2次元の画像で十分な診断ができると思います。
> ・差し歯と歯根の間に隙間がありその内部が虫歯になっている。その結果、歯茎が腫れたようだ。差し歯を外して虫歯を治療する必要がある。
破折しているであろう
歯根をあきらめずに、なんとか残そうと努力している様子が見て取れます。
> (なお応急処置として腫れた部分の歯茎を切開の上、膿を出していただきました)
的確な治療法だと思います。
> ・次回の来院時に、ぐらついている真ん中の差し歯を外してみる。その結果、歯根がどの程度欠けているが明らかになる。
その通りです。
> ・歯根が割と浅い部分で欠けている場合は、虫歯を治療した上で、再度差し歯の下の歯根として活用できるため、新たな差し歯を付け替える。
とても良心的な治療方針です。
> ・しかし割と深い部分で欠けている場合は、その歯根を活用できないため抜歯する。
その通りで、残念ながら残せる見込みは少ないと考えます。
> ・(幸いにも)該当する歯の左右の歯が差し歯であるため、(3本の)
ブリッジにより、前歯を再生する。
とてもよく分かる治療方法です。
> ・ちなみに
インプラントでの治療もあるが
保険適用外のため高額になる。
今回
破折した歯の両側が全く触っていない歯(
永久歯が生えてきたそのままの姿)の場合は
インプラントも選択肢と考えてくれているかもしれませんが、両側が既に治療のあとがあるのですから、その歯にかぶせなおして
ブリッジにしようと考えてくれたのだと思います。
> 以上のような治療方針を非常にわかりやすく伝えていただきました。
患者さんに治療方針を分かりやすくお伝えするのは難しい事が多いのですが、ご本人が納得するようにお話をしてくれた事はよかったと思います。
> ぐらついている
差し歯を外してみないとわからないところですが、先生がおっしゃるには、「
歯茎の腫れた位置より、割りと深い位置で欠けていることが考られる。前歯3本
ブリッジでの治療になる可能性が高いのではないか。」とのことでした。
その通りだと考えます。
> 相談したい内容は、
> 相談内容1:私のような状態の場合、説明いただいた治療方法が適切でしょうか?
文面から見る限り、適切です。
> 別の適切な治療方法はありますでしょうか?
考えなくてよいと思います。
> 相談内容2:3本
ブリッジでの治療を行う場合、
歯根は残しておいても意味がなく
抜歯という対応になるのでしょうか?
破折している部分が「深い場合」という事ですから、残す事により後々問題が生じると考えられます。
> 相談内容3:前歯を
ブリッジにした場合、今後の食生活において、不自由が生じることはありますか?
神様が作った(仏様かご先祖様かもしれません)歯がいたんだわけですから、ご自身のもともとの歯より強くなることはないと考えてください。
しかし、現在の歯科医学は結構進んでいるので、普通に食事で使ってそんなに不自由や問題が生じるとは思えません。
> また注意すべきことがありますでしょうか?
歯科医師からの説明と治療方針の伝達から想像するに、きっと予防にも力を入れている歯科医師だと思います。
ブラッシング方法や後々のメインテナンス(歯科医師や歯科衛生士によるプロフェッショナルケア)についてもよくお聞きになり、そのブリッジが長く持つようにご自身も努力してください。
これを機会に他の歯の手入れ方法もよく聞いて、「災い転じて福来る」にしてください。