ロン 様、初めまして。
お子様の矯正治療の2期治療で、お悩みの事と拝察申し上げます。
お子様の骨格性反対咬合の治療経過を大変適切に文面に書かれております事に敬意を表します。
さて、実際にお子様の
口腔内や、
レントゲン等を拝見致しておりませんので、確定的な事は申し上げられませんが、文面を考慮しながら、一般的な骨格性反対咬合の治療について回答させて頂きます。
骨格性反対咬合の治療を実施する際には以下の3点が重要になります。
1.頭蓋に対する上下の顎の位置関係(骨格に対するアプローチ)
2.上下の歯列の
咬合関係(歯に対するアプローチ)
3.成長の予測(身長の伸びが、下顎の成長と非常に相関関係にあります)
1.は主に、第1期治療で行います。
2.は主に第2期治療で行います。
3.は身長の記録を年に1〜2回矯正歯科に通知されている事と思いますが、思春期に入りますと、思春期性の成長のスパートが必ずおこり、1年間に10cm以上身長が伸びる年があります。
この時期に父親の身長を抜き、大人の顔面骨格になってきます。
身長の伸びと下顎の前下方への伸びは相関関係にありますので、身長が伸びている間は、下顎が前へ出てきますので、再び
反対咬合になる事がときどきあります。
成長のパターンによりましては、20歳くらいまでだらだらと身長が伸びるパターンの方もおります。
身長が止まるまでは、目が離せません。
この10代後半の成長(レイトグロース)が強い場合は
外科矯正適用になってしまう事もあります。
> 1.本人に違和感がないので、二期矯正はせずこのまま一期矯正終了の状態で
保定に入ることはできないのでしょうか?
保定に入る事は可能です。
ただし、レイトグロースに充分注意されて身長が止まるまでは観察が必須です。
もし、成長のピークを未だ迎えていない時は相当注意です。
> 2.仮に二期矯正をするとしても、16歳男子成長期後半の時期は適切なのでしょうか?
> また、矯正は下顎発達のストッパー的な役割はあるのでしょうか?
年齢的には2期治療に適した時期です。
レイトグロースがかなり強いと矯正力は、歯が立ちません。
チンキャップなどもこの時期には効果はありません。
最近では、マイクロインプラント(MIA、TAD)を用いて
外科矯正になるのを避ける治療法も良く使われてきております。
もし可能であれば、右上下
大臼歯の強い3級関係と
正中線の偏位は治しておいた方がベターと思われます。
お大事にどうぞ。