日本補綴歯科学会専門医・指導医がご回答させていただきます。
まず、口の周りの
知覚神経は脳神経の
三叉神経に支配されています(脳神経[脳から直接支配している12本の神経]の第5枝で、知覚・運動の混合性ですが、第1枝は上眼窩裂から眼窩下孔、第2枝は正円孔から
上顎骨、第3枝は卵円孔を通って
下顎骨の知覚を支配しています。)(顔面を動かす神経は第7枝の顔面神経です。)
第1枝の眼窩枝と第3枝の下顎枝(
下歯槽神経)は、ご自分で触診することができます。第1枝の眼窩枝は目の下を触ると骨が触れますが、その下約5mm〜1cmから知覚枝が皮膚の下へ枝が伸びています。第3枝の下顎神経は、下顎枝の下顎小舌から
下顎骨内に入り
小臼歯部でループして皮膚の下へ枝が伸びています。そのあたりを触ってみて、クルッとするところが
下歯槽神経の出口です。
解剖学ですので、少し難しいかもしれませんが神経の走行状態は非常に大切です。
小臼歯部というと、
下顎4番から5番あたりです。
三叉神経は、主に知覚神経ですから片側の下口唇も支配しています。
以上の解剖学的特徴と相談内容を比較すると、『
上顎の顔の中心より右側半分に軽い痺れのような違和感がある』ということなので、『右上5番の神経を9月始めに抜いた時』の
麻酔による影響は非常に少ないと考えられます。
神経の走行は
レントゲン撮影でも分かりませんので、確定診断はできませんが細菌感染であれば『フロモックス』は奏功するはずです。となるとステロイド(副腎皮質ホルモン)などの内服が有効かも知れません。
一ヶ月も経過していますので、ぜひ一度耳鼻咽喉科の受診をお勧めします。
現在の治療は特に問題ないかと思います。