ヒロ さん
少し整理させて下さいね。
まず、
顎関節症についてです。
顎関節症という場合、顎関節内に何らかの問題、障害がある顎内障であることが多く、ほとんどの場合、
関節円板の転位、位置異常を伴います。
ところが、その実態は、
円板がズレたと言うよりは、むしろ、何らの原因で
円板を置いてきぼりにして、顎位、アゴの方がズレてしまっていることがほとんどなのです。なので、ヒロさんの
顎関節症も顎位のズレ、結果としての
関節円板のズレを伴っていると考えたいと思います。
すると、治療のファーストステップとして、まず
関節円板にとって都合の良い、(正しく関節頭に
円板が乗っている)アゴの位置を探り、その位置を復元、再現するバイトプレーン(スプリント、MPA等の別称あり)を装着することになります。
厳密なことを言うと、
ナイトガードとは概念が違います。
ナイトガードの説明は省きますが、もし、大学病院でありながら、この辺りの言葉、呼称の誤用混同があるのなら、若干問題なのかも知れません。
さて、バイトプレーンを装着後、もし、
顎関節症に伴う様々な症状が軽減快方に向かうことが確認できたなら、その顎位が好ましいと言うことになります。
ただし、この場合の好ましい顎位、アゴの位置は、今までの慣れ親しんだ 普段の習慣的な咬み位置(
顎関節症の顎位)とは違う場所、違う位置です。なので、この好ましいと思われるこの位置、この顎位で、咬めるように
噛み合わせを作ってあげなければならないと言うことになります。
たくさんの歯を
補綴(被せたり、貼ったり、繋いだり)しなければならない可能性もありますし、
矯正治療が必要な場合も多いです。
昔、顎位の診断が上手にできない時代には、フラットで平らなスプリント(スタビライゼーション型スプリント)を装着してもらい、正しい顎位をアゴに探してもらう、アゴの行き着いた先が正しい顎位と思いたい、という顎位を診断しない治療法が一般的だった時代もありました。
もし、ヒロさんの言う
ナイトガードがそのようなものなら、最近 前に出てきたとおっしゃる顎位が、関節にとって良いポジションの可能性もありますし、好ましくない結果と言うことも考えられると思います。
顎関節症の治療には非常に高度な専門性が求められます。
歯科医院の情報等をお求めの場合は、『歯のねっと』事務局にお問合せ下さい。
ヒロさんの参考になれば幸いです。