医療に正解はありません。
たとえば乳癌になったとして、乳房温存のほうがみんないいわけですよね。
でもできるだけ残そうとしてもがんが再発して、あの時しっかりとっておけば命だけは助かったのに、ということがあったとします。
乳房温存は不正解なんでしょうか?
その時の条件から考え出した答えが不正解、なんでしょうか?
逆に5年10年再発なく問題なければ温存が正解だったということになります。
歯に関しても
歯髄を残すことが一番大切なことではないんです。
快適に長くその歯を使うことができることが一番大切なんです。
無理して残したがゆえに、歯が真っ二つに割れて激痛と、その後の処置として
抜歯をせざるを得ない状況になることも考えられなくはないんです。
じゃあなんでも神経をとったらいいのか?というと、それもまた違います。
残せるものであれば残したほうがいいに決まっています。
条件としては
口腔内の
虫歯になりやすさ、
歯周病になりやすさ、力の入り具合、歯の質の要素、かみ合わせ、う蝕の慢性か急性か?目に見えないようなひび、残っている歯の形態、などなど、ほんとにさまざまなことで個々の判断をしないといけません。
ドクターによっても判断は分かれますし、どちらのドクターのほうが正解であるということは言えない部分があります。
最終的には痛みが絶対に出ないことを優先したいのか、それとも痛むことがあったとしてもそれを覚悟の上で神経を残せるものなら残すことを優先したのかという希望によってその処置方針が決まってくると思います。