おっしゃるように電動歯ブラシがよく目につくようになりました。 値段も500円くらいから数万円まで、非常に幅があります。 買うのに迷ってしまいますね。 原則はご自分の手で、ていねいに磨くというのが基本です。 しかし、手の不自由な方などには電動歯ブラシはとても強い味方になります し、健常者も使うととてもきれいになる人もあります。 「暮らしの手帖」では手で磨くのとあまり変わりが無いとの記事もありまし た。使い方にもよると思います。 ではどのような選択基準があるか?ということですが、 1.毛先の運動が本当に
プラークを取るのに適した運動や振動であるかどうか? 1)毛先を動かすのにモーターの回転を使うもの。 2)同じく、回転運動を往復運動に使う振動型のもの。 3)それと、最近は機械的な回転や振動だけでなく、音波を使った周波数の 高い振動を毛先に与え、ある程度の
ポケット内(歯と歯ぐきの間の袋状の隙 間)まできれいにするのが発売されています。これは、毛先の届かないとこ ろでも、唾液を共振させて細菌を浮き上がらせるようにしたものです。 4)その他電気的にイオンを放出させて、振動以外の要素で
プラークを分解 しようとするものなどが見られます。 いずれもその効力は、メーカーのデータが中心で、その中のいくつかは大学の 研究室で研究したデータが学会で発表されています(とても良い効果が得られ ています)。暮らしの手帖の実験もよく考えてなされていることと思います。 また、大学の研究室のデータも研究者が真剣に考えて行ったと思います。 しかし、結果が違うということから、まだまだ研究の中で考えるべき要素があ ると思われます。私たちの診療室で「普通の歯ブラシで歯磨きをしても日常の 生活の中で難しい」という方が、電動歯ブラシを使ったときに今までとれなか った
プラークがとてもきれいになったケースも見ます。 これらのことを考えると、「どの歯ブラシを使うか」が問題ではなく、どのよ うに使うかが問題になると思います。 私の友人の歯科診療室では、500円の電動歯ブラシで、それまできれいにならな かった患者さんの口腔をきれいにしている先生もいます。 ご質問には的確な答えにならなかったですが、我流でどのような高い、良いと いわれている電動歯ブラシを使っても、使い方が間違っていると効果がないこ とはおわかりいただけたかと思います。 ぜひ、予防に熱心な歯科医院で
歯科衛生士さんの指導を受けて、その上で勧め てくれる歯ブラシ(電動も含めて)をお使いになるようにと思います。 電動歯ブラシに興味をお持ちになるくらい、歯の健康に興味がおありだと思い ます。ぜひ、きれいな口で健康にお過ごしください。