洛太郎 様
歯の色が黄色いので白くしたいのですね。
芸能人などが真っ白な歯でテレビに出演するのを見ると、自分の歯も白くしておきたい気持ちはよくわかります。
しかし、歯は少し象牙色をしているのが普通で、あまり真っ白な歯は本当はきれいではないですし、真っ白にするために歯を削るなどは論外です。
ホワイトニングも一時よりは良い方法が考えられるようになり、以前ほど歯を痛めることは少なくなりましたが、
ホワイトニングをして歯が強くなることはありません。
歯の色が黄色いというのは通常
象牙質の色が
エナメル質を通して見えることが多いです。
お書きになっているように
エナメル質が特に薄いようなら通常はそんなに黄色く見えるというのは不思議ですね。
実際に、
エナメル質に色がついていることもありますが、場合によっては、歯の表面にごく薄く
プラークが
石灰化したもの(
歯石)がついている場合があります。
一般に言う
歯石というのは、
プラーク(
歯垢:湿重量の70%は細菌です)の中の細菌が死んでいくときにカルシウムを取り込んで死んで重なったものです。
細菌の一つの大きさは約1ミクロン。1000個並んでやっと1mmです。
ですから目に見える
歯石というのは細菌学的にはとてつもなく大きな岩のようなもので、そのような塊になるまでは歯の表面に薄く固いものが少しずつ沈着します。
これが何年もして重ねに重ねて大きな目に見える
歯石になります。
このような
歯石は電子顕微鏡で見ると軽石のように穴だらけです。
その中にコーヒーなどの飲み物や食べたものの色素が沈着している場合があります。これは歯ブラシでは取れません。
とても薄いものなので、一見、歯には何もついていないように見えます。
そのような場合、
ホワイトニングでも一時的に色は白く出来ますが、この穴だらけの中にすぐに飲食物の中の色素が入ってきます。
再び
ホワイトニングが必要になります。
ホワイトニングをする前に一度歯の表面を数十ミクロンの粒子で歯の表面の汚れ(薄い
歯石などの汚れ)を取る方法があります。
歯面清掃機(プロフィフレックス、エアーフローハンディ、プロフィーメイトなどなど、各社名前が違います)で細かい粒子を使い、
超音波スケーラーなど機械的に取れない汚れも取る方法です(歯の表面にはほとんど傷はつきません)。
一度このような装置で歯面を清掃してもらえる歯科医院をお探しになって、歯の表面をきれいにしてもらい、その色でご自身が満足できるかどうか考えてみてはどうでしょうか。
そのようにすると次はそのような細菌が
石灰化したものがつくまで時間がかかるため、
ホワイトニングを繰り返すより長いスパンで清掃してもらうだけできれいな状態を保ちやすいものです。
歯の健康にも良いですし、
ホワイトニングのように歯を傷めることも少ない方法です。
もし、これだけで満足できないときに
ホワイトニングを考えてはいかがでしょうか。
20歳、青春真っ盛り。
これからの人生、歯を大切にして楽しい生活を満喫してください。