むし歯が進行してきていたんですね。
以前相談したとき、例えば一番最初に相談したときには本当にまだ小さかったのかもしれません。
いや、もっと言うと、痛いといって削ってみたけど何もなかったということもあり得ます。
ですから処置をするのには慎重になることがあります。
レントゲンですべてわかるわけでもありません。
特に全体をいっぺんに撮る
パノラマという
レントゲンでは大きなむし歯は見つかりますが、歯と歯の間の小さなむし歯はかなりぼやけて判断しづらいことが多くあります。
かと言って
デンタル14枚法など細かく歯を数本ずつ撮るやり方は費用も時間もかかり、なかなかそれを数年に1回行っているところは少ないと思います。
レントゲンや視診でむし歯があると確信を持てないと、歯科医師もやみくもに健康な歯を削るというのは勇気がいるんです。
今の状況も、すぐにでもやったほうがいいのかもしれませんが、逆に今すぐやって神経を取るほうがいいとも言い切れません。
歯髄という組織を残そうとすると、どうしてもそういう迷いと闘いながら処置をしています。
車の調子が何となくちょっと悪い、というだけで、ではオーバーホールで何十万円かけて整備しましょう、というと、それならもう少し様子を見たほうが、というようなもので歯医者も実際にどうしようもない状態になってからでないと処置に踏み切れないこともあります。
今まで何十年もそこにかかっていたおかげで、問題が出た歯がまだ1本というようにも考えることが出来ます。