残念ですが
乳歯の根っこの処置は非常に難しい、完治させるという概念がありません。
基本的に
乳歯というものはある年齢が来ると根っこが溶けてしまいます。
乳歯の根っこの周囲には破歯細胞という歯を溶かす細胞が存在しているんですね。
そして根っこがとかされてしまうと、大人の歯のように根っこの管があるという状態ではなくなってしまいます。
こうなると根っこの処置といっても根っこの管そのものがない状況なので消毒をしっかりしきれないということになってしまいます。
虫歯になり神経が死んでしまうと、根っこの先に
炎症がおこり、体としては出来るだけ早くこの
乳歯という異物を体の中から排出しようという免疫的な働きが始まってしまいます。破歯細胞が活発化するんですね。
このことによって根っこのが溶けてしまい、歯がぐらぐらしてくるんです。
なので今行っているように、根っこのなかを消毒して、腫れが治まり痛みが出ないという状況が少しでも長く続くように、根気強く消毒をし続けるということ以外に出来ることがありません。
乳歯が早く抜けて困ることは、奥の
6歳臼歯が手前のほうに倒れてきて
永久歯が生えるスペースが狭くなることです。
体としては異物となった
乳歯をさっさと抜いて、そのスペースを確保するような装置を装着する(
保険外処置になりますが)という方法も選択肢として出てきます。
抜かない方向での治療ということなので、今は出来るだけ消毒して抜けてしまった時には、その時に何らかの手を考える、というのが現実的な方法だと思います。