歯のお悩み相談詳細

ご相談

子供の前歯の根にひびが入り、抜歯とインプラントを勧められた

ながまる様57歳男性
16歳の息子が差し歯の前歯をぶつけ、歯科医に診療してもらうと、歯の根にひびが入り化膿しているので、抜歯インプラントブリッジ、入れ歯などの治療が必要だが、未成年なので、インプラントは18歳くらいになってからと言われました。

抜歯をした後、インプラントを入れないで仮歯や入れ歯での対応とのことでしたが、抜歯した後は骨が減っていくのでインプラントをやるには18歳になってから別の場所から骨を移植してからになるかもしれないが、必ず成功するとは限らないとも言われ、どうしたらよいものか対応に困っています。
抜歯後すぐに移植しても力がかからないと骨は減っていくので、それは意味がないとのことでした。

息子は現在は痛みを感じていません。
ブリッジは他の歯を削るのでできれば選択したくありません。
歯科医はインプラントを勧めるのですが、抜歯してもすぐにインプラントができないのであれば、歯の根をできるだけ温存したほうがいいと思うのですが、どうなのでしょうか?
ネットで検索すると、歯の根を接着剤でくっつけファイバー繊維の被せ物をする方法も載っていましたが、一般的ではないのでしょうか?

また、前歯が出ているためぶつけやすいのかもしれないと、同時進行で矯正も検討してみてはと言われました。
こちらもどうしたらよいか迷っています。

河原 雅朗 先生からの回答

河原 雅朗
奈良県
かわはら歯科クリニック
河原 雅朗先生
とても難しい問題ですね。
根っこが割れてその周囲が腫れているという状況なんですね。
基本的には外傷によるものなのでどうしようもありません。
歯が無くなること、それを補うために何かを犠牲にして、もしくはリスクを負って治療する必要性が有るという状況です。

まず根っこの再植ですが、そのまま根っこを置いておくと、周囲の骨がさらに溶け、インプラントをするにしてもブリッジをするにしてもどんどんと不利な条件になっていくことが考えられます。
再植の適応症は歯の根っこが折れているが痛み、腫れなどの炎症症状がなく、骨もまだ溶けていないというのがその条件です。
したがって接着、再植をしたからと言ってよくなる、もしくは少しでの長持ちさせることができるという可能性は極めて低いと思われます。
やってもいいけれどもより悪化するという可能性のほうが8割がたで高いように思えます。
(接着での再植は、よほどの条件がそろわないと成功しないものだと思ってもらえばいいかと思います。)

では抜歯をしないといけないということになりますが、少しでもそこに骨をとどまらせたいということなので、骨補填材の使用は私は有効だと思います。
ダメだとしても何もしないのと特に変わりがないと考えられるからです。

ブリッジ保険でいつでもできるという点では可能だと思います。
ただ成人していくとともに必ず歯の際が出てくると思われるので長期的には安定はしない治療ということにはなると思います。
(数年先にやり直すことを前提としての治療となると思います。)
もちろん歯を削るというデメリットも受け入れていただかなければいけなくなります。

そしてインプラントですが、インプラント時に骨補填材もしくは骨移植を行うという方法が一番ある意味予知性が高いです。
スタンダードな治療方法といってもいいと思います。
インプラント治療を選択するとした場合には、)
もちろん年齢的に若いのでその分リスクはあります。
ただ今回のような場合すべてを満足する治療方法はあり得ないので、どこかで何らかのリスクをとってそれでだめなら諦めるということしかできないと思います。
リスクをとらないということであれば、どの歯科医師も手を付けてくれないでしょう。

細かな点に関しては歯科医師の治療方針は様々で、考え方も違う点もあるかと思いますが、どこかで何かを妥協する必要性は必ず出てくるものと思います。

渡辺 英弥 先生からの回答

渡辺 英弥
福島県
渡辺歯科医院
渡辺 英弥先生
多少のリスク覚悟で(割れている部分から骨がなくなることもありますので)歯を温存するのもいいと思います。
少なくとも歯は削らないほうがいいと思います。

もう一点、世界的なエビデンスとして歯が出ているいわゆる出っ歯ですが、外傷の確率が多いといわれています。
あながち矯正も間違ってはいません。
が、期間とお金がかかりますので、そのあたりはきちんと相談されたほうがいいと思います。

船津 三四郎 先生からの回答

北海道
船津歯科・矯正歯科クリニック
船津 三四郎先生
ながまる 様、初めまして。
お子様の破折歯根歯の治療でお悩みの事と拝察申し上げます。

同様な事例を時々経験致します。

1.私の場合は、インプラント予定歯の抜歯の際は、抜歯と同時に抜歯窩に「テルプラグ」というコラーゲン製の補填材を入れます。
これにより、骨が減るのを防ぎます。

2.破折歯根の状況が良ければ、抜歯後、割れた歯根スーパーボンドで接着して再び骨に戻す、「再植術」も時々行います。

3.ご指摘にとおり、上顎前突(出っ歯)は、破折しやすいので、矯正治療が望ましい場合も多く、私も、かなりのケースの矯正を行って、良好な結果を得ています。

1度、矯正歯科でご相談されてみて下さい。

一口に矯正歯科といっても、その実態(技術力)は様々ですので、きちんとした技術のある、学会認定医の矯正歯科を選ぶ1つの選択肢としまして、下記の基準を御紹介致します。

1.日本成人矯正歯科学会認定医
2.日本矯正歯科学会認定医
3.日本臨床矯正歯科医会会員
4.自立支援法(育成・更生医療)指定医療機関
5.外科矯正施設基準認可医療機関

1〜5のどれかを標榜している医療機関は、一定水準以上の技術レベルの施設です。
ホームページ等で調べる事が出来ます。

お大事にどうぞ。

歯科医院を探す

全国約68,000件の登録歯科医院より、お住まいの地域や治療内容にあった歯科医院を検索できます。

インプラントに関するお悩み相談

お口の悩みを歯科医師に相談する

ログイン 歯の悩みを相談 歯科医院を検索