とても難しい問題ですね。
根っこが割れてその周囲が腫れているという状況なんですね。
基本的には外傷によるものなのでどうしようもありません。
歯が無くなること、それを補うために何かを犠牲にして、もしくはリスクを負って治療する必要性が有るという状況です。
まず根っこの再植ですが、そのまま根っこを置いておくと、周囲の骨がさらに溶け、
インプラントをするにしても
ブリッジをするにしてもどんどんと不利な条件になっていくことが考えられます。
再植の適応症は歯の根っこが折れているが痛み、腫れなどの炎症症状がなく、骨もまだ溶けていないというのがその条件です。
したがって接着、再植をしたからと言ってよくなる、もしくは少しでの長持ちさせることができるという可能性は極めて低いと思われます。
やってもいいけれどもより悪化するという可能性のほうが8割がたで高いように思えます。
(接着での再植は、よほどの条件がそろわないと成功しないものだと思ってもらえばいいかと思います。)
では
抜歯をしないといけないということになりますが、少しでもそこに骨をとどまらせたいということなので、
骨補填材の使用は私は有効だと思います。
ダメだとしても何もしないのと特に変わりがないと考えられるからです。
ブリッジは
保険でいつでもできるという点では可能だと思います。
ただ成人していくとともに必ず歯の際が出てくると思われるので長期的には安定はしない治療ということにはなると思います。
(数年先にやり直すことを前提としての治療となると思います。)
もちろん歯を削るというデメリットも受け入れていただかなければいけなくなります。
そして
インプラントですが、
インプラント時に
骨補填材もしくは骨移植を行うという方法が一番ある意味予知性が高いです。
スタンダードな治療方法といってもいいと思います。
(
インプラント治療を選択するとした場合には、)
もちろん年齢的に若いのでその分リスクはあります。
ただ今回のような場合すべてを満足する治療方法はあり得ないので、どこかで何らかのリスクをとってそれでだめなら諦めるということしかできないと思います。
リスクをとらないということであれば、どの歯科医師も手を付けてくれないでしょう。
細かな点に関しては歯科医師の治療方針は様々で、考え方も違う点もあるかと思いますが、どこかで何かを妥協する必要性は必ず出てくるものと思います。