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2014/08/16

定期検診ではどの程度の虫歯から発見できるのでしょうか?

ゆか様41歳女性
長期で海外に行くことが多いので、まめに定期健診に行くのですが、この度は3月からの3ヶ月海外滞在に向けて、2月の末にレントゲンをとりました。
問題なかったので、安心して旅立ちました。
しかし、現地入りして2週間後、銀歯詰め物が取れたのです。
その時は、何とか現地の歯医者に行き、仮処置をしてもらいました。
半年以上もつ処置ということだったので、忙しい時期を避け、8月中旬から日本で治療を開始する予定でいました。
帰国後、7月末、東北滞在中(実家は関西)に突然頭が痛くなり、数日様子をみても治らなかったので歯痛を疑って緊急で歯科にかかりました。
前回とは違う歯が虫歯になっていたのですが、私は声楽家で大事なリサイタルを控えていたので、歯を削るのは避けて応急処置をしてもらいました。
この度は本当に“応急”なので、可能な限り早く再度病院に行って治療してくださいと言われました。

8月初旬にリサイタルが終わり、いつも通っている歯医者に行くと、例の歯は虫歯が進行していて神経を抜かなければならないと言われたのです。
銀歯だったわけでもなく、6ヶ月弱前レントゲンも撮ったのに、この虫歯の兆しは発見できなかったのか、なぜ突然神経を抜かなければならないほどに、虫歯が進行してしまったのかと聞くと、前回の時の写りでは、虫歯か、ただの写真の影かは判断できないものだったと言われました。
お盆と重なることと予約のとれなさで、結局8月末に治療を開始することになりました。
今は毎日ぼんやりうっすら歯痛が続いております。
そこで、質問です。
神経を抜かなければならないような虫歯は、レントゲンを撮っても、半年前では発見することができないのが一般的でしょうか。
今まで一度も神経を抜いたことはなく、ショックを受けています。
もちろん、この場でレントゲンは見られませんし、あくまでも一般的に、ということなのですが。
半年に1回定期健診を受けても、こんなに大きな虫歯の予兆を発見できないのであれば、定期健診を受けること自体、疑問を感じます。
レントゲンも何度もとっているのに発見できず、結局神経を抜かなければならないというのはどういうことなのでしょうか。
歯はこれからも付き合っていかないといけないものなので、病院を変えるか迷っています。
ご意見いただけますでしょうか。
よろしくお願いいたします。

河原 雅朗 先生からの回答

河原 雅朗
奈良県
かわはら歯科クリニック
河原 雅朗先生
レントゲンの種類にもよりますが、お口の中全体を一回で撮影するレントゲンであれば発見が難しいです。
一般論ですが、全体のものをいっぺんに撮影するものは断層撮影となるのでどうしてもピンボケになります。
なので実際の目視や、症状や、その他の情報を元に歯の中の状態を推測していくということをしていきます。
(決してレントゲンだけで判断しているわけではありません。)
ですから大まかに虫歯があるかどうかはわかりますが、それが頬骨、顎の骨などが重なって映るレントゲンでは100%の虫歯を発見することは困難です。

半年に一度検診を受けていても、例えば歯ぎしりをした瞬間にヒビが入ってしまうことは避けられませんし、また食生活の変化によって虫歯になるリスクも高くなる可能性はあります。
急性カリエスであれば半年もあれば急激に進むこともありますし、逆にヒドゥンカリエスと言って、見た目やレントゲンで非常に発見しにくい虫歯になることもあります。
小さな虫歯に見えるものを全て削るということも逆に過剰な治療ということになりますよね。
少々のヒビ、無数の歯の表面のヒビをなんとかする方法は今のところありません。

また日本の保険診療では疾病保険ですので、あくまで疾病にかかった場合に対してのその処置を行うということが保険で手当されているだけなので、定期検診を受けることによって虫歯の予兆を発見してもらうことを目的にすることは困難です。
例えばお医者さんで半年に一回軽く悪いところがないかどうか診てもらう(保険診療で)ということをしてもそのレベルが脳ドックやPET、その他検診を含めた人間ドックの検査のレベルと全く違うということはすぐにお分かりになると思います。
(費用もその内容も全く違いますよね、)
歯科でも虫歯やその他の予兆を検査したいということであれば、保険外でもっと様々な検査をお受けになることをおすすめします。
虫歯は生活習慣病の側面もあるので、生活習慣の問診から唾液量、成分、血液検査、食生活検査、指導、歯のレントゲンも数本ずつ映るデンタルレントゲンを12枚もっと詳しくとなるとCT撮影などをしてそれらを数十分かけてしっかり分析して徹底的に調べるということをしない限り、絶対に安心ということは言えないと思います。)

歯科医院を選ぶ権利も行くかどうかを決める権利も患者さんの方にありますが、疾患を予見することは非常に困難です。
(特に修復処置を行って金属やレントゲンに映るようなものを入れている口腔内の状態を正確に把握することは実際非常に困難です。しかもその歯には毎日のようにすごい力が加わります。唾液や湿潤状態の中で人工物を接着しています。熱いもの冷たいものが1日何回も触れます。その温度差は4、50度近くにもなります。酸性やアルカリ性のものに毎日触れます。口腔内というのは、そういうとてつもなく過酷な状況下であるということはご理解いただけると思います。)
1年に1回人間ドックを受けている人がガンにならないか?というと、そうではないということもご理解ください。

渡辺 英弥 先生からの回答

渡辺 英弥
福島県
渡辺歯科医院
渡辺 英弥先生
定期的な健診はとても重要だと思います。
レントゲン写真ですが、小さなフィルムタイプか大きなフィルムタイプかで違ってきます。
特に金属が存在するととても判断が難しくなります。
また、歯と歯の間の虫歯と噛む面の虫歯では進行速度がまるで違います。
放射線をどの方向に通すかでも見え方が違います。

きちんとケアされている方と思われますので、この先は被ばくも多少覚悟で疑わしき部分を撮影してもらうのも必要かと思われ、またレントゲンはあくまで画像診断ですので、必要とあれば診断のために詰めたものを外すことも大事なのかと思います。

船津 三四郎 先生からの回答

北海道
船津歯科・矯正歯科クリニック
船津 三四郎先生
ゆか 様、初めまして。
定期健診にて予兆のわからなかったむし歯に困惑されておられる事と拝察申し上げます。

実際に ゆか 様の口腔内や、レントゲン等を拝見致しておりませんので、確定的な事は申し上げられませんが、発見し難いむし歯は、時にあります。

1.中心結節破折によるむし歯(小臼歯に多し)
短期間で歯髄炎抜髄(神経を取る)に至る事多し

2.マイクロクラック
肉眼で視認出来ない様な細かいヒビが多数あり⇒歯髄炎に移行することがあり。
レントゲンには写らない。
 1)夜間就寝時の歯ぎしり
 2)噛み締め癖
 3)硬い食材を好んで食する嗜好
等の有る方に起きやすい。

3.酸齲症(酸蝕歯
レモン、グレープフルーツ等の酸度の高い柑橘類を好んで常食される方に多し


ゆか様の場合が該当するかどうかは、実際に拝見致しておりませんので、わかりません。

尚、定期健診は、むし歯のみならず、むし歯よりも怖い歯周病のチェックも行いますので、お続けになられる事をお勧め致します。

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