ひよこ 様
せっかく「お子様の歯を丈夫に」と思われているのに、大変な思いをされましたね。でも、心配しないで、少しずつ着実に歯科にかかれるようにして、いつか楽しんで歯科医院へ行けるようにしましょう。
ご質問は恐怖心でいやがるお子様を押さえつけて少し削り、薬をつけたため、娘さんが恐怖心を抱いたまま歯科医院を後にした。
1.治療法は他の歯科医院でも同じかどうか。
2.娘さんのケアをどうすればよいか。
3.歯科医院を変えれば状況が変わるかどうか。
以上3点かと思います。
お答えする前に、現在の
保険制度で、
小児歯科に対する点数があまりにも(非常識なほど)低いということがあります。そのために、「じっくりと心をほぐしながら治療をする」ということはほとんどボランティアに近い行為を行うことになります。
歯科医院の支払いに関しては国が料金を決める。これは統制経済の考えです。その場合、経営も国が責任を取ってくれればいいのですが、経営は自由主義経済で行われます。歯科医院側からいえばこれほどの不合理はありません。ゆっくりと治療をして、お子様の気がほぐれるのを待って治療をできればよいのですが、そのようにはできません。なかなか難しい問題があります。これを前提にお答えをします。
お答え。
1.「
小児歯科」という標榜(ひょうぼう)のある歯科医院があります。あるいは歯科大学が近くにあれば、その中に必ず
小児歯科学講座があり、お子様の治療をしてくれます。このようなところでは、無理に押さえつけることはなく治療してもらえるはずです。
2.私の診療室でも「以前に他院で大泣きをして治療ができなかった」というお子様がいらっしゃいます。玄関を入っただけで既に大泣きをして、待合室にも入れないようなお子様もいらっしゃいます。そのようなお子様には、玄関でいすを出し
歯科衛生士と一緒にお人形やおもちゃで遊んで、何度もそのようなことを繰り返しながら、少しずつ待合室に入れるようにしたり、そこで口を触れるようにしたりということを繰り返しながら、現在は一人で治療用のいすに座って笑いながら予防などの処置をしている患者さんもいらっしゃいます。
小児歯科でそのようなケアをしながら見てくれる歯科をお探しになるといいかと思います。
3.歯科医院を変えると状況は変わると思いますが、一度お母様がその医院へ行かれて、現在の娘さんの歯科医院に対する状態をよくお話になり、理解をいただいてからかかるようにすると良いと思います。同じようなことが2度起こると今度は娘さんの心をほぐすのは大変になると思います。
ぜひ理解のある歯科医師と出会い、早く良くなるように願っています。