てらのり 様
頭痛でお困りのご様子。頭痛は周りの人からわかりにくくご本人がとても 苦しむケースがあります。数年前に読売新聞で「癒しのカルテ」という 連載の中で「頭痛を持っている人が一番悩んだのは、周りからずる休み ではないか。 あるいは、ちょっとしたことを大げさに言っているのではないか。 などと苦しい状況を理解されないことでした」というふうな記事があり ました。 ‘てらのり様’のひどい悩みも周りにはわかりにくいのだと思います。
さて、ご質問は3つ。
1.
スプリントは頭痛に効くのか?
2.
咬合調整(噛み合せをあわせること)が頭痛を癒してくれるのか? 3.下あごがずれていて小さく、舌が大きいことが関係しているのか?
この3点だと思いお答えをします。
1.
保険治療では、歯ぎしりの時に
スプリントを使います。頭痛の治療は適用にはなっていません。あなたが2番目に聞かれた歯科医師 はこのことをお話しになったのだと思います。しかし、先の読売新聞が15回の連載の中で、記者が取材で感じたのは、ひどい頭痛治療にもっとも効果があったのは、浜松医科大学の歯科
口腔外科 の中で行われている「テンプレート療法」であった。という結論でした。 これは
スプリント療法にとてもよく似ています。決して無効ではありません。一度考えてみられてはいかがでしょうか?ただし、浜松医科大学・医学部・
口腔外科学講座内で行われているのは 特別な理論で、動物実験なども行い相当基礎的な理論の上に成り立っています。安易な治療法では治りにくいと思います。
2.
咬合調整(
噛み合せをあわせること)は頭痛を軽減してくれる場合があります。 ただし、あなたのように既に下あごが小さい場合は
咬合高径(上あごと下あごの高さの関係)が低くなっていることが考えられます。 そのときに歯を削りさらに
噛み合せが低くなる様な治療法には賛成 できません。よくお考えください。
3.下あごがずれて小さい方は最近増えています。
矯正の先生の診察を受け、あごの位置をまっすぐに、さらに広げて前へ出す方法があるのかどうかをよくご相談ください。このときにも、テンプレートを使ってあごを前へ出すと、とても効果のある 症例があります(すべてではありません)。 頭痛にはいろいろな原因があります。まず、頭痛を診てもらうことが先決で、大きな病院では「頭痛外来」のような科があります。脳外科や整形外科、その関連の科で診察すると思います。そちらの診察をお受けください。その後で、どうしても治らないときにはあごの位置や
噛み合わせを 考えられたらいかがでしょうか