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2013/01/12

ブラックマージンの改善には、どのような治療法がありますか?

志乃様35歳女性
1年ほど前にメタルボンドセラミックスを使って、下の前歯のブリッジをしました。
土台は、おそらく金属だと思われます。両の歯の神経を抜いて治療しました。
レントゲンで見ると、土台の歯に、細く長い白い物体が入っています。

現在、ブラックマージンだと思われる症状(ブリッジにした歯の歯茎が青い状態。歯茎はまだ垂れていないため、金属部分は露出していません)になっています。
ブラックマージンを改善するために、どんな治療を受けるべきだと思われますか。

私は生まれつき下の前歯2本の永久歯がありません。
永久歯がないため抜けずにいた乳歯2本は、永久歯1本分の太さであったため、「乳歯を2本抜いたがブリッジの間の歯は1本」という特殊な形態になっています。
インプラント専門歯科の口腔外科出身の院長先生にお話を伺ったところ、CTを撮っていただき「下の前歯は神経と非常に近いため、インプラントは勧められない。するならば、現在のブリッジの土台の歯をインプラントにし、そこを土台に新たにブリッジにするのをお勧めする」と言われました)。

■質問
1.[金属土台+メタルボンドセラミックス]から、[グラスファイバー土台+ジルコニア]に変える場合、土台の歯の寿命は著しく縮まってしまうでしょうか?
セカンドオピニオンの院長先生からは、「ブリッジの土台は奥深くまでしっかり入っているから、ブリッジの寿命はかなり長いはずだ。30年くらいもつんじゃないか?」と言われています)

2.ブラックマージンは、金属を取り除くのが早ければ早いほど、治療後の改善状態は良いのでしょうか?

下の前歯なので唇に隠れるため、高額であろうブラックマージン悪化防止策をとるか、現状維持にするかで迷っています。
ブラックマージンが今後どの程度まで悪化するのかが心配です。
現状維持をすると、加齢による歯茎の垂れ下がりや長年の金属の染み出しにより、歯の根元の色がどんどん黒くなっていくのではないかと心配しています。

3.土台を抜き替えてブリッジを新しく作るよりも、両の歯の寿命は諦めて今すぐに土台2本インプラント+ブリッジにした方が良いでしょうか?
その場合、今後ブラックマージンの危険性はありますか。

お忙しいところ恐縮ですが、ご回答のほど、何卒宜しくお願い致します。

河原 雅朗 先生からの回答

河原 雅朗
奈良県
かわはら歯科クリニック
河原 雅朗先生
> 1.[金属土台+メタルボンドセラミックス]から、[グラスファイバー土台+ジルコニア]に変える場合、土台の歯の寿命は著しく縮まってしまうでしょうか?

丁寧にきれいに取れたとしたら著しく寿命が縮まることはありませんが、頑丈にくっついており、とるのに苦労して金属の土台が外れなかった場合、著しく寿命が縮まる可能性はあります。
実際にやってみないとわからないというのが本当のところです。
金属の土台は取らないのであればそこまでのダメージは少ないと思います。

> (セカンドオピニオンの院長先生からは、「ブリッジの土台は奥深くまでしっかり入っているから、ブリッジの寿命はかなり長いはずだ。30年くらいもつんじゃないか?」と言われています)

だとしたらそうなのだと思います。
実際に診ている先生の判断を、見ていないネット上の第三者が否定はできません。

> 2.ブラックマージンは、金属を取り除くのが早ければ早いほど、治療後の改善状態は良いのでしょうか?

金属を取り除いたからといって歯肉の変色がなくなるわけではありません。
改善できるかどうかもわかりません。
 
> 下の前歯なので唇に隠れるため、高額であろうブラックマージン悪化防止策をとるか、現状維持にするかで迷っています。
> ブラックマージンが今後どの程度まで悪化するのかが心配です。
> 現状維持をすると、加齢による歯茎の垂れ下がりや長年の金属の染み出しにより、歯の根元の色がどんどん黒くなっていくのではないかと心配しています。

まず黒くなった歯肉の原因を探らなくてはいけません。
金属のイオンの溶出によるものなのか、それとも金属片が歯肉に迷入したメタルタトゥーなのか、それともメラニン色素沈着なのかです。
それぞれによって対処方法も異なりますし簡単に治るもの、治らないものがあります。

> 3.土台を抜き替えてブリッジを新しく作るよりも、両の歯の寿命は諦めて今すぐに土台2本インプラントブリッジにした方が良いでしょうか?
> その場合、今後ブラックマージンの危険性はありますか。

どの方法がいいのか、例えばブリッジを新しくしようとして両隣の歯がダメになって抜歯せざるを得ない状況となる可能性が20%くらいあるとして、その場合インプラントになったとして、メタルタトゥーも取れなかったとしたら、歯茎は黒いままインプラントになってしまいます。
それであれば今の現状のほうが良かったということになります。
そのリスクを覚悟でやるのがいいのかどうか、というのをどちらの方法が良いでしょうかと言われても、それは志乃 様の価値観によるものです。

こんなことならやらなければよかった、と思わないためにもしっかりと覚悟を決めてどうするのかを決めてください。
リスクは全く受け入れられないが結果は100%を求めるということでは、どのような歯科医院でも処置はしてくれないと思います。

渡辺 英弥 先生からの回答

渡辺 英弥
福島県
渡辺歯科医院
渡辺 英弥先生
ブラックマージンの場合、補綴物をやり直すか、歯肉を移植するなどの方法が考えられます。

○1.[金属土台+メタルボンドセラミックス]から、[グラスファイバー土台+ジルコニア]に変える場合、土台の歯の寿命は著しく縮まってしまうでしょうか?

必ずしもそのようなことはないと考えます。
むしろファイバーコアの方がいいと思うくらいです。

○2.ブラックマージンは、金属を取り除くのが早ければ早いほど、治療後の改善状態は良いのでしょうか?

改善は早くなると思います。

○下の前歯なので唇に隠れるため、高額であろうブラックマージン悪化防止策をとるか、現状維持にするかで迷っています。

難しいところではありますが、見えない、見えにくいのであれば現状維持も一つの手段かと思います。
年を追うごとの歯肉の下がりは、誰しもにある事なのでやむを得ない事かと考えます。

○3.土台を抜き替えてブリッジを新しく作るよりも、両の歯の寿命は諦めて今すぐに土台2本インプラントブリッジにした方が良いでしょうか?
その場合、今後ブラックマージンの危険性はありますか。

どちらもリスク的には同じかと考えるのですが。

船津 三四郎 先生からの回答

北海道
船津歯科・矯正歯科クリニック
船津 三四郎先生
志乃 様、初めまして。
下顎前歯部のブラックマージンでお悩みの事と拝察申し上げます。

懸案事項は以下の2点になろうかと思います。
1.歯肉の変色の件
2.インプラント治療が必要かどうかの件

歯肉の変色には以下の様な場合があります。
1.メタルタトゥー
2.金属色の透過
3.歯根の黒変

1.の場合は、被せ物を変えても、変色は変わりません。
歯肉そのものの外科的な処置が必要です。

2.の場合は、メタルコアをファイバーポストに変えたり、メタルボンドオールセラミックに変えたりする事で改善されるます。

3.の場合は、歯根ホワイトニングを要する

志乃 様の場合は、文面より、1.では無いと思われます。
(恐らく、1か2と思われます。)

長いメタルコアをはずすのは、歯根破折等のリスクを伴います。
歯根破折を起こすと、殆どの場合が抜歯に至ります。)

実際に 志乃 様の口腔内を拝見致しておりませんので、確定的な事は申し上げられませんが、インプラントを急ぐ必要生は、あまり見えてきません。

どうしても治したい場合は、ブリッジオールセラミックに変えるだけでよろしいのではないかと思われます。

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