歯を打ってしまったのですね。
歯の構造はわかるでしょうか?
歯の中の方にはいわゆる歯の神経、
歯髄というものがあります。
その中には、神経や血管が走行していますが、その血液や神経は根っこの先のところのみで体、骨の中の血管とつながっています。
そこに外傷により強い力が加わり、歯がずれてしまうとそこの血管は切れてしまい、歯の中の
歯髄には血液が流れなくなってしまいます。
そうすると
歯髄は死んでしまうということになります。
虫歯などと違って外界の細菌によって死んでしまうのではないので痛みがなく経過することもあります。
神経を取りたくないということですが、こうやって死んでしまったものは、いずれ感染源となるので取るというよりは清掃しておいた方がいいということになります。
早めの治療を勧めるのは、
歯髄が死んで血液が流れなくなると布についた血液のように血は黒くなります。
それが歯の組織を透かせて歯そのものが暗い色になってきます。
それを取るのは大変かもしれないので早めのほうがいいということも言えます。
ただ今回のように海外ということを考えると、痛み、感染などがなければ日本に帰ってくるまで処置をせずにおいておくというのも一つの考え方です。
1パーセントくらいの確率で、
歯髄が生き残ることもあるようです。
それらの判断は非常に難しいので、症状がなければじっくりと考えて処置をすることをお勧めします。