根っこの治療は非常に難しいですし、
抜歯の基準となるとそれこそもっと難しいものがあります。
ただ神経を抜いて20年、最近では3回も治療を繰り返しているという状況、
ポケットが10mmあるという状況ということから考えると、
抜歯の診断もきわめて妥当なところだと思います。
経験的に言うとやはりひびの入っている可能性が高いといえます。
そしてもう一つの観点からの抜歯の基準というものを考えなければいけません。
さて、
抜歯をした後どのように処置を希望しているでしょう。
現在の歯科医学の中では、
抜歯後には入れ歯、
ブリッジ、
インプラントという選択肢があります。
このうちどの処置を行いたいか、どのような治療ゴールを目指すのか、ということによって、
抜歯の基準というのも変わってきます。
インプラントをということであれば骨がなくてはいけません。
破折していることがほぼ確実であれば出来るだけ早期に
抜歯をして、骨を保存することが、後の治療にとって最大のメリットとなります。
ブリッジであれば歯茎のへこみを気にしなければ出来るだけ歯を残すことが出来ます。
逆に言うと審美的にも歯茎が出来るだけきれいに残った状態で
ブリッジをしたいということであれば、骨が無くなる前に出来るだけ早期に
抜歯した方が有利ということになります。
入れ歯でいいや、ということであれば
抜歯を出来るだけ避けることも可能になりますが、隣の歯を支えている骨まで無くなってしまうと、隣の歯の寿命まで短くなるのであまり置き過ぎるのも良くはありません。
このような情報を十分理解したうえで、最終的な治療方針を主治医と十分話し合ったうえで決めてください。