しろくま 様
娘さんの前歯の変色でご心配ですね。
変色した歯を大切に観察してくれる大変よい先生に診てもらっていると思います。
以前は、外傷歯(打撲により傷が入った歯)が変色した場合、できるだけ早く中の神経を取って薬を詰めるのが普通の治療法でした。
最近は、若い患者さんの場合慌てて神経を取るのではなく、観察をしながら変化を見ていくのがよいのではないかと考えられてきています。
これは、歯が変色したのは
歯髄腔(神経と血管の入っている穴)の中の血管が損傷を受け、出血したために赤血球が血管の外に出て、
象牙細管(
象牙質の中にあるとっても細い穴。
象牙質内に規則正しく無数にある)の中に入り、それが時間が経って酸化したために外から白い歯が赤く見えたり、灰色や赤黒く見えたりするものです。
神経と血管に損傷がある場合、ほとんど回復が難しいことから神経の穴を治療するのがよいと考えていたものが、若い人の場合はもっと時間をおいて観察すると自分の力で血管を修復し
象牙細管の中に入った赤血球も含め徐々にきれいにする症例があるので、最近の慎重な歯科医師は時間をかけて観察するようになっています。
その観察の中で、細菌感染などで問題を起こしてくるようでしたら、その時点で
歯髄腔の中を治療をするようにしたらいかがでしょうか。
慎重なよい歯科医師に巡り会われたのではないでしょうか。
もう少し様子を見られることをおすすめします。
時間がかかると思いますが、よくなられるよう願っています。