ベル 様
大変戸惑っている様子が良くわかります。
学問には「絶対」はありません。少し余裕を持ってご自分で良く考えられると良いと思います。
今かかっておられる先生はとても良く勉強なさった先生だと想像しますが、いくつか私の考えと違うところがあります(先に書いたように、どちらが絶対に正しいということではありません)。
> 1.歯を常時噛まないように注意するために家や職場の目立つ箇所すべてに「噛まない事」の貼り紙をすること。
ある国立大学の先生がお年寄りの治療に「家の方々の目立つところに張り紙をして噛みしめないこと」という治療で効果があった、と報告したことから、そのように考えたのだと思います。
あなたの場合、噛みしめはそんなに強く病的なものなのでしょうか?
普通は、上の歯と下の歯は食事の時以外は「
安静空隙」といって少し隙間の空いています。
ですから、病的な噛みしめがある場合は、
マウスピースなどを使って様子を見る方法があります。
職場にまで張り紙ではちょっと大変だと私は思います。
> 2.飲み物を飲むと歯の
再石灰化が阻害されるため、食事以外では絶対に飲まない事。
あなたの先生はよく勉強され、自然な形で健康を維持したいと考えてくれているのだと思います。
その考えは素晴らしいです。
しかし、
再石灰化は、
フッ化物を使ってきれいに磨けば
再石灰化が起こると考えられています。
体からは「汗」や「
唾液」そして体の老廃物を排泄するために水分は欠かせません。
唾液には抗菌物質など体に必要なものがいっぱい含まれています。
昔から「よだれの多い子供は元気な子」と言われています。
必要な
唾液を出すためにも、他の臓器に問題がない場合は充分な水分は必要です。
過剰にならない限り、お茶の時間を設けたり必要な水分を補給するようにしてください。
> 3.糖分は絶対に取ってはならない。歯が溶ける。
今から70年前、第二次世界大戦で日本は敗戦しました。
その後いろいろな物資が不足しましたが、その中でお砂糖も極端に少なくなりました。
その時のう蝕(
虫歯)罹患率はとても低くなり、糖分とう蝕の関係が明らかになりました。
それで、歯科医師は患者さんができるだけ糖分を減らすことでう蝕を減らそうと考えました。
しかし、糖分は炭素源(エネルギーの素)で体には必要なものです。
あまり神経質になることはお勧めしません。
とくに、お砂糖が悪いのではなく、その糖分を口の中の細菌が分解して「酸」を作り、その酸によって
エナメル質が柔らかくなり、細菌が歯の中に入っていくことにより、う蝕ができてきます。
ですから、適当な糖分を取り、その後、糖分をお茶かお水ですすぐようにすると大丈夫だと思います。
> 4.
歯石を取る際の痛みと出血は
知覚過敏が原因。
歯石を取る時には確かに痛みが出たり、出血などがあります。
ただ、最近は、最初に綺麗に歯ブラシをし、
歯肉縁上(
歯茎の上の見えている部分)の
歯石をまず取ってそれから深いところの
歯石を取るようにすると、あまり痛くなく出血も少なく綺麗になる場合があります。
> こちらの腕に間違いは無い。
ご本人がおっしゃるのならその通りでしょう。
> 飲み物に関しては、体質的に低血糖な為、医者からも糖分入りを進められています。
内科のお医者様と良く相談なさって、必要な糖分は取られた方が良いと考えます。
お砂糖が口の中に入っても、先に書いたように、
口腔内を清潔にできればそんなに神経質になる必要はないと思います。
> ただし、1日に500mlのミルクティーを一本だけです。
> 歯科医も歯科助手の方も親の仇の様に怒り、絶対にやめろと言われました。
> こちらの話を聞く気もない態度なので、次回からの定期検査は違う歯科にお願いしようかと考えています。
真面目に考えようとされている歯科医師だと思いますが、思い込みで一方的に押し付けられているようにお感じでしたら、ご自分と考えの合う先生に診察してもらうのも一つの方法でしょう。
ご自分の納得できる治療を受けられるように願っています。