やまとなでしこ 様
アメリカでの生活は楽しい反面医療については不安な面もおありかと思います。ご質問は、日本に戻る2〜3週間の間に歯の治療をしたい。ご本人の認識では、
1)
上顎第一小臼歯(お書きになった歯はこの歯と思います)の根本が黒い、いやな臭いがする。
2)
親知らずが黒い。
う蝕(
虫歯)だろうか?
3)治療費はいくらぐらいか?以上3点と思います。
お答えする前に伺いたいことがあります。まず、1)日本に滞在できる期間は最長で3週間であり、延長することはできないのでしょうか? 2)アメリカではチェックアップに通える歯科医院があるのでしょうか?これにより少し考え方が変わります。
お答え。
1)歯の根もとが黒い、というのは治療してもらった歯の
歯肉(歯ぐき)と
歯根(歯の根っこ)の間が黒いのだと思います。7,8年前にしてもらった治療がどのようなものかわかりませんが、
う蝕(
虫歯)で黒いのであれば、詰めたものを削って取り出し、再度詰めてもらえばいいのではないでしょうか?時間も1〜2日でできると思います。
もし、神経を取ってかぶせてある場合、かぶせたものは悪くならないので、根の方へ
う蝕(
虫歯)が進んでいるのでしょうか?その場合はかぶせてもらったものを取り、必要であればもう一度神経の穴の治療をしてからかぶせ治してもらうことになると思います。この場合は2週間ではきちきち、あるいは難しいものと思います。いずれにしても帰国の予定が立ち次第、受診しようとされている歯科医院へできるだけ早く連絡をしてアポイントを取ってもらってください。お口の中を見て診断してから、どのような治療計画になるか説明してくれると思います。
2)
親知らずをご自身で(鏡を使って)ごらんになって黒いのかと思います。その場合は
う蝕(
虫歯)である可能性が高いと思います。それでも、初期の
う蝕(
う窩になっていない:
虫歯の穴がまだあいていない、専門的には:
C0あるいは
C1)であれば、薬を貼付し
歯科衛生士から教えてもらった歯磨き方法できれいにできれば、削らずに
再石灰化という方法で治ることもあります。
う蝕(
虫歯)がさらに進んで、
う窩になっている場合(穴が開いている、専門的には
C2あるいは
C3)の場合は細菌に感染しているところを削って埋めるか、あるいは神経を取って薬を詰め、ふたをするかかぶせる必要があります。現在の我々の
親知らずは小さいあごの一番奥に生えてくるために、治療器具がとても入りにくいこともあり、抜かなければならないことが多いのですが、保存できる(抜かなくて良い)場合はぜひ残すようにしてもらってください。
しかし、残すことにより問題を起こしてくる場合があります(
顎関節症など)この場合はやむ終えず抜かなければならないかもしれません。いずれの治療になるにしても、できるだけ早く予約をなさるようお勧めします。
3)日本の
健康保険(あるいは国民保険)をお持ちではないのでしょうか?保険証があれば3割負担で治療できます。自費診療でもアメリカよりはずっと安いのではないかと考えます。アメリカであれ、日本であれ治療で歯科医院に通うのではなく、チェックアップで歯科医院に通えるように習慣づけてください。その方が期間も短く、費用もずっと安くすみます。今後のご参考になさってください。
日本でよい治療が受けられますよう願っています。