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歯を半分抜くのと全部抜くのでは違うのでしょうか?

ごん様48歳女性
下記の相談の追加です。
歯を半分抜くのと全部抜くのでは違うのでしょうか?
それと半分抜いた後、もう半分を抜く事もありえるのでしょうか?


奥から二番目(親知らずをぬかして)の下の歯の根の治療をしているのですが2ヶ月ぐらい前に歯茎が腫れて切開したのですが未だ腫れていてが硬くなってきているようで来週に掻爬(そうは) をすると言われました。

それでもダメなら歯を半分抜くそうです。一年以上治療を続けてますが治らなくてどうしたら良いのかわからず不安です。

他に治療法はないでしょうか?
それとこのような状態で不妊治療を再開するのは無理でしょうか?

酒井 信 先生からの回答

酒井 信
宮城県
にがたけホワイト歯科
酒井 信先生
歯を失った場合の、補いかた(補綴と言います)を理解していただくことが前提になります。

1.部分入れ歯による方法
 TVのコマーシャル等でご覧になったことがあると思いますが、欠損部にあたる人工の歯の両側に、金属の爪(鈎といいます)がついた入れ歯で取り外しが可能です。歯を殆ど削らずに作ることができますが、管理が悪いと爪をつけた歯を虫歯にしてしまいます。また、異物感は我慢していただかなければなりません。

2.無くなった歯の前後の歯を削り、欠損部に橋をかけるような形(歯に似た形にすることもある=ダミー)で、3本分の被せものをまとめて装着します。セメントでつけるため取り外しはできません。異物感はさほどないと思いますが、歯を削らなければなりません。一般に、ブリッジと呼ばれて
います。

3.歯の無くなった部分の骨の中に、歯の代りになるものを埋め込んで、機能を回復する方法で、インプラントといいます。ここで、詳しくは述べませんが、入れ歯のような違和感もありませんし、歯を削る必要もない方法ですが、健康保険は一切適応致しません。

歯を分割して抜歯するということは、欠損部分が生じることになります。この方法は、2.のブリッジといわれる治療法を想定しています。では、一本全部抜いてしまうのとどう違うかといいますと、治療範囲が異なります。今回のケースでは、全部抜いた場合、ブリッジを予定した時は、第二大臼歯(一番奥の歯)と第二小臼歯(抜いた歯の手前の歯)の二本を削ることになります。

一方、部分的に分割抜歯をした場合は、抜かなかった根と、第二大臼歯か第二小臼歯のどちらか一方だけを利用する形でブリッジが設計できますので、削る歯を一本少なくすることができます。なんでもない歯を削らずに済めばそれに越したことはないと思います。

半分にした歯ですので、強度的には弱いかもしれません。将来、限界がくることも、あるでしょうが、その時点で、今回全部抜いた状態でのブリッジの設計でも遅くないと思います。

渡辺 英弥 先生からの回答

渡辺 英弥
福島県
渡辺歯科医院
渡辺 英弥先生
歯を半分抜くのと全部抜くのでは違います。

半分残せるのは、下の奥の歯にほぼ限られます(上の歯もできる場所はあります)。下の奥の歯は、根が2つあります。上の歯は3つあるのが通常です。

2つの根の場合、口に近いほうを近心根、のどに近いほうを遠心根といいます。そのどちらかを抜くことになります。全部抜くのは、いわゆる通常の抜歯になります。片方だけ抜くことを分割抜歯といいます。半分残すことで、たとえばブリッジを作ることにしますと、通常のブリッジより削る量も少なくすみますし、小さなブリッジで済みます。これが利点ではないでしょうか。

○半分抜いた後、もう半分を抜く事もありえるのでしょうか?
これに関しては、可能性は否定できません。残すためには、きちんとしたお手入れが必要になります。それを怠ると、半分になった歯が、歯周病になり悪化したり、虫歯になったりして抜歯にいたることを経験しています。

ですので、半分抜くか、全部抜くかはその歯、歯の根の状態に左右され、口の中の状況で考えることになります。

河原 雅朗 先生からの回答

河原 雅朗
奈良県
かわはら歯科クリニック
河原 雅朗先生
歯を抜くと、ブリッジにする場合、その前後の歯を削ってブリッジで修復することが多いです。

歯を半分しか抜かないということは、その根っこを被せとして利用できるので、削る歯の量は減少します。そういう意味でかなりのメリットがあります。

ただ根っことしてはやはり根っこが細い分やや弱いので早くダメになって抜く必要が出てくることもあり得ます。

名越 充 先生からの回答

大阪府
名越歯科診療所
名越 充先生
まず、ご質問の、歯を半分抜くのと全部抜くのとはやはり違います。
下の奥から2番目の歯は根が通常2本ありますので、そのうち不幸にも一本にのみ病巣ができ、もう一本は残すことができる場合は、その後の補綴処置の選択に幅ができますので、現在通院されている歯科医院の先生のご判断同様残すことを考えます。

また、ごん 様のご不安どおり、根の一本だけが悪ければよいのですが、もう一本の根も悪くなる場合が少なからずあります。
その場合は、結局もう一本の歯も抜くことになります。
この歯・根を抜くという考え方は、膿んでいる部分は取り除かなければならない、感染源を残しては他の歯、歯肉、粘膜組織に多大なる悪影響が生じてしまうという原則に基づいています。

 一年以上も治療に通われているとのことですが、きっと担当医は、できるだけ歯を残せるようにとの思いから丁寧な治療をこれまでしてきているのだと推察しますが、が溜まり他の組織に悪影響が出始めている現状では、上記のような判断をせざるを得ないのだと思います。

 他の治療方法についてのご質問ですが、レントゲン口腔内の写真等の資料が無い状態ではお答えするのは難しいです。
もし、私達の助言で満足できない場合でしたら、セカンドオピニオンの考え方を利用されることも一案です。

 不妊治療を受けられる際のリスクについてですが、口腔内に大きな感染源がある状態での全身治療は、あまりお勧めできません。
不妊治療については、男性不妊・女性不妊で治療方針が異なるとは思いますが、最終的に母体を利用するわけですから、母体であるご自身の全身状態が良好であることに越したことはありません。

 以前別の相談でも申し上げましたが、人間の体の中で一番不潔であるのが、口腔内です。その口腔内に大きな感染源があるのですから、早めに感染源を除去する治療は大切であると思います。

不妊治療で通院されている医院の先生にも現状をお話されてはいかがでしょうか。

田邉 美樹子 先生からの回答

大阪府
筒井歯科医院
田邉 美樹子先生
治療が1年も続いていて、治らないということであれば、今後この歯が治る可能性は限りなく0に近いと判断されてもよいと思います。

抜歯についても、もし今なら半分で済むのであれば、時間がたてばたつほどもう半分も抜かなければならなくなる可能性が高くなります。出来るだけ抜く部分は少ない方がよいのではないかと個人的には考えています。

また、不妊治療をされる予定のようですが、今の状態のまま不妊治療をされて歯の化膿が急性化した場合には、お薬などを簡単に飲んで頂けなくなるので、できましたら治療の前に抜歯をお勧めしたいところです。

ただ、これはあくまでもご相談内容からだけでのお話ですから、診察される先生によっては、保存も可能という判断をして下さるケースもないとは言えません。一度、セカンドオピニオンをお受けになられてはいかがかと存じます。

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