歯科治療というのはある意味特殊な治療です。
治るという言葉は完全のもとの状態に戻ることを言いますが、風邪などの場合にはそのウイルスが体から完全になくなれば完全に治癒した、治ったといえます。
でも歯科疾患の場合、むし歯では
歯牙の、
歯周病では
歯槽骨という歯周組織の破壊が起こります。
残念ですがその
欠損、破壊に関して完全に元に戻ることは絶対にあり得ません。
では、どういう治療かというと、むし歯の場合そのなくなったところを人工のもので修復するということをします。
これを
虫歯治療と言っているわけです。
むし歯が進んで
歯髄にまで達しても同じことです。
歯髄という組織まで細菌感染が起こってしまい、その細菌ごとその歯髄組織をとって骨のところまで根っこの管に細菌が増殖しないように
詰め物をして、それによって何とか歯を使える状態にまでもっていっているだけです。
決して元の状態、
歯髄を復活させたり、無くなった部分が自然治癒したわけではありません。
今回、その奥ということで根っこの先のほうにまで細菌が入り込んでしまった状態なのだと想像します。
骨の中には血液が流れており、免疫が働くのでその細菌の感染源がなくなりさえすれば、完全に元に戻ることはあります。
ただその感染源が根っこの管の先のほうであれば、そこは免疫力の働かない部分が生じる可能性が有り、治療が困難になることがあります。
もちろん再度の治療でなんとかなる場合もありますが、完全に治るわけではありません。
かみ合う歯の状態などと根っこの状態などを総合的に考えて判断すべきだと思います。
(先生が数人いれば数とうりの考えがあり、どれが正解ということも言いにくい状況だと思います。)