一番奥を抜いた後、どうするのが一番いいのかという問題ですね。
これは歯科医師によっても意見が分かれるところです。
とてもとても難しいです。
仮定の話で申し訳ないですが、右下を抜いた後、直後であれば
インプラントをするのが一番よかったということになります。
ではその時にそういう判断ができるのかというとなかなか難しかったと思います。
右下の歯を抜いたときに考えられる治療方法としては、入れ歯、
インプラント、
延長ブリッジ、そして何もしない、です。
延長ブリッジは5番目6番目の歯に被せをして7番目まで片持ち梁のようにする
ブリッジです。
10年くらいは持ちますが、10年くらいで6番目の歯、もしくは5番目の歯が悪くなることが多いです。
そのあとも被せなおしたり、いろいろして20年持たないうちに6番目の歯も抜ける可能性が高くなります。
入れ歯は1本だけで出し入れをする必要があるため、なかなか使用し続けるのは難しいと思います。
何度かやり直しも必要ですし、上の歯もある程度は伸びてくる可能性があります。
となるとよくあるのがそのまま何もしないという選択肢です。
ただこの場合10年くらいで今のように上の歯が伸びてくることが考えられます。
(実際そうなっています。)
ただ考え方としては6番目の歯まできっちりあれば、長期に
歯列を安定することができるという考えがあります。
なので今回のように不都合が起きてきた場合、上の伸びた歯を抜くことを前提に右下の一番奥を抜いたときに何もしないという選択肢は十分考えられることです。
(僕はこの考えで
インプラントを希望しない患者さんには何もしません。
延長ブリッジにしてしまうと歯列の安定性という意味で20年後の安定の確立のほうが落ちると考えるからです。)
もう一つ、
歯並びがガタガタになったのが一番奥の歯を抜いたからではないかと考えられているようですが、それには賛同しかねます。
基本的には歯前のほうに倒れようとする傾向があり。一番奥を抜いたからといって
歯並びに影響することは考えにくいからです。
ということで今の状況で一番の理想的な治療方法は、右上の神経をとって低く被せなおし、右下に
インプラントを入れるということになると思いますが、次善の策として右上の歯を抜くだけ、というのでもあながち間違いではないと思います。