口の中がネバネバすると気持ちがよくありませんね。 ご相談はあなたご自身の「感覚」でネバネバ感があるのだと思います。 どうして口の中がそのように感じるかが問題です。 お書きいただいたお年だとお若いので(余談ですが、私はあなたより年寄りで す)「年齢」でそうなるとは考えにくいのではないでしょうか? ネバネバ感がでるのは 1.唾液がネバネバしてくる。唾液は大きく分けて2種類あります。1)食事をしたり、ゆっくり休んでいる時に出てくる唾液で、さらさらしています。 2)緊張したり、焦っていたり、ストレスを感じる時に出る唾液で、ネバ ネバした唾液です。一般的には、このように食べているときなど、リラックスした状態ではさら さらした唾液がでて、緊張したり、ストレスを感じているときはネバネバした 唾液がでるとされています。最近の生活にストレスを感じたり、何か心配事などありませんか? あるいは生活に余裕がなく時間に追われているような状況はありませんか? もしこのような生活環境の中にいる場合は、わずかな時間でも見つけられて、 空を見上げて大きく伸びをする、夜なら星を眺めてみる、朝夕なら樹の間を歩 く森林浴、田んぼの畦道(あぜみち)のような土の道を豊富な緑を見ながら歩 いてみる、小川のせせらぎにたたずんで水の流れを眺めてみる。 すぐ近くにある木陰のベンチで数分でも座って両手を広げて胸を大きくして息 をしてみるなど。何でも結構です。自分の周囲にある自然に目をやり、そのわ ずかな時間でも心に余裕を持ってみる。 といった緊張を解く工夫をなさってみてください。 さらさら唾液とネバネバ唾液は「自律神経」という神経系によりコントロール されています。 最近「自律神経失調症」などの診断を受けている場合はそちらの治療もとても 大事になってきます。 2.歯磨きは夜1回だけとのことですが、夜の間は唾液のでる量は少なくなります。つまり口の中の細菌は朝起床時が最も多いことになります。 夜歯磨きをすることは、寝る前に細菌数を減らすということで大変良いこ とです。それに加えて、夜の間に増えた細菌をきれいに洗い流すという意 味で、できれば歯磨きは最低朝夕2回はなさってください。 それと、歯磨きのしかたは
歯科衛生士から教えてもらいましたか? 我流では、面積的には結構広い範囲をきれいにできても「ここは絶対に残 してはだめ」というところに残ることが多く、そのために、ご自身では歯磨きをしていると思っていながら、「細菌は結構残っている」という場合があるものです。また、舌の上や頬粘膜(ほほの内側)などの細菌が多く残っているために感じるネバネバ感もあります。 3.糖分の多い間食をしていませんか?生キャラメル、カステラ、クッキー、などなど、最近の「おやつ」は、舌に甘く感じ、その感じが長く残るよう に粘性(ネバネバした状態)の高いものがおおくなってきました。 そのため、細菌は大喜びで、これらの糖分を分解して、さらにネバネバした物質に変えていきます。 糖分はエネルギー源で人間にとても大切なものですが、その食べ方と食べ た後のお口の清掃状態がとても大切になります。 歯ブラシをするか、どうしても歯ブラシをできない場合は、大量の水を口にふくんで歯と歯の間を通し、またほっぺたの粘膜を歯に押し付けたり、舌を上あごに押し付けるなど、口の中に残った糖分を水で流すように心がけましょう。歯磨き粉をあまり使われないということですが、これは良いことと思います。市販の歯磨き粉を使うとアワがよくでる場合があり、その上、ミントなど口がすっきり感じるような味付けにしている場合があります。細菌はあまり取れていないのに、お口がすっきりするために「きれいになった」と錯覚する場合があります。 そのような錯覚を起こす場合は使わない方が良いと思います。 しかし、歯磨き粉(最近はペーストやジェルがほとんどですが)の中には細菌のかたまりである「
歯垢(プラーク)」を分解するような成分が入っていて、有用なものも開発されていますので、一概に「良い」とか「悪い」とは言えないと思います。よく選んで選択してください。 4.最近飲み始めたお薬はありませんか?薬の影響により感じる場合もあります。最近処方された薬があり、その薬を飲み始めてから感じるようになっ た場合は、一度処方してくれたお医者さんに相談してみてください。 これは、「たまたま薬を飲み始めた時期とそのような感じの出たのが一緒だった」という場合がおおいので、自分では「薬のせい」と決めつけない で相談してください。 他には体調が変わっていく時期であるとか、いくつか考えられますが、実際に お話を直接お聞きすればもう少し考えられるかもしれません。 一般的には上に書いたようなことが考えられます。 一度歯科医院を訪ねられて、 1)いつ頃から、 2)どのような時に(仕事をしている時とか休んでいる時、食前、食後、寝ている時、あるいはいつも、などその状態)、 3)どんな感じでといったことを思い出してお話ししてみてください。 原因がつかめるかもしれません。 あなたは若いのです。決して「年齢かな?」など思われないで、若々しく、豊 かな生活を営んでください。気持ちのよいお口が戻った時はうれしい報告を待 っています。