> ①
フィステルが落ち着いている場合、この「歯のお悩み相談」でも様子見という回答を見かけますが、それは私のように骨粗鬆症の治療をしている(顎骨
壊死のリスクがある)場合にもあてはまりますか?
> 顎骨
壊死を怖れるあまり、必要以上の治療(まだ保存できるかもしれない歯を
抜歯する等)を行うのも良くないのではないかという思いもあります。
> これまでと同様の3ヵ月ごとに定期健診及びクリーニングで様子を見ていけば、顎骨
壊死をそこまで心配しなくても大丈夫なのでしょうか?
ビスホスホネート服用による顎骨壊死は、
抜歯時に起きる可能性が0.3%といわれています。
ほとんどは問題なく
抜歯できる、と考えるのか、顎骨壊死が起きるゼロではない、可能性がある、ととらえるのかは考え方次第です。
フィステルに関しても同じで心配しなくてもいいとは言えません。
おいておくことによって常にずっと顎骨
壊死になる可能性が少ないかもしれませんが、ずっと続きます。
長ければ長いほどその確率は高くなると推測されます。
抜歯をして
治癒すればその可能性はなくなります。
ただ
抜歯時に顎骨
壊死を起こす確率もあります。
どのような選択肢を選んだとしてもリスクがあります。
じゃあなんでそんな薬を服用させるんだと思われるでしょうが、
骨粗鬆症で転んで骨折をしてしまうと寝たきりになってしまう可能性が非常に大きく、そうなった場合の致死率、5年生存率は50%といわれています。
半数が死ぬ、というとてつもなく大きなリスクの回避のためには、服用したほうが断然まし、という事です。
そういったことをよく考えてどちらを選ぶのかを考えてください。
(お医者さんからすると、リスクのある歯は全部さっさと抜いて
入れ歯にでもしておいてもらったら楽なのに、と考える人は多くいますし、まあそれも一理あると思います。でも歯科医師としてはちょっとしたむし歯や、
歯周病だからといって全部全部抜くことは、それはそれで間違っていると考えるわけで、それぞれの先生がそれぞれの考えと責任において対応を考えるというのが今の医療の現状です。)
> ②現在
フィステルが出ている歯に被せをせずにいますが、被せをすることが状態を悪化させることにはならないのでしょうか?
状態をより悪化させるかどうかはあまり関係ないと思います。
咬合による
外傷的な力が加わると悪化させる可能性はあるので、その点に関しては調整をしっかり行う必要があるかもしれません。