「
ブリッジの一部が複数回欠けた」というのが相談内容ですね。 質問は3つあります。
1.
ブリッジが欠ける。
2.
ブリッジの部分の歯茎がやせて黒いものが見えてきている。
3.以上のことから
ブリッジをやり変えた方が良いかどうか。
回答
1.「
ブリッジが欠ける」というのは、多分金属の上に
1)
硬質レジン(簡単にいえばプラスチック)を焼き付けたものか、 2)
ポーセレン(簡単にいえば陶材)を焼き付けたものとが考えられます。
1)の
硬質レジンを焼き付ける場合は「維持装置」という大変細かい球状の金属を鋳物で作って
レジンを固定するようにします。2)の
ポーセレンを焼き付ける場合は、特殊な金属の上に 陶材を高い温度の熱で焼き付けます。1)の場合、維持装置がきっちりと残っていれば、お口の中である程度の補修はできますが(完全とはいえませんが)、2)の陶材の場合は、お口の中で補修するのは大変困難です(高い熱をかけられません)。最近は、金属に凸 凹をつけるための装置で口の中で使えるものが開発され、接着剤や 補修財も改良されて、大分修復ができるようにもなってきました が、基本的には難しいと思っておいてください。
2.歯茎がやせて、黒いものが見えるというのは2つのことが考えられます。 1)
ブリッジを支えている歯(
支台歯と言います)が
歯周病(
歯槽膿漏)になり、歯茎がやせてきたために歯の根っこが見え始め黒く見える場合。
2)
支台歯の歯の根っこの部分に
う蝕(
虫歯)ができて、そのために黒く見える場合。以上の2つ のことが考えられます。
3.
1.の欠ける場合、金属の上に1)
硬質レジンで作られている場合はもう一度先生によくお話を聞いて、どのような方法があり、どのように難しいか、あるいはできるのか、できないのか、をご自分で判断してください。2)
ポーセレン焼き付けの場合は、基本的にはとても難しいと考えてください。場合によってはやり直した方が良いかもしれませんん(やりかえる前に、あなたの
ブ リッジで、修復の方法があるかどうかをもう一度先生に聞いてみて ください)。
2.の歯茎のやせている場合、あるいは
う蝕のために黒く見える場合、いずれも黒い部分を消すのは難しいと思います。
ブリッジがしっかりとしていて、とても良い状態で、歯茎の条件も良ければ、外科的に歯茎の位置を
ブリッジの近くまで持ってくることができる場合もあります(すべてのケースでできる訳ではあ りません)。あなたの場合は、
ブリッジそのものに問題がおありの ようなので、それほどの無理をする価値があるとは思えません。では、
ブリッジをやり変える場合、まず、外す前に、その
支台歯が しっかりした状態かどうかを見てもらってください。土台の歯が悪 い場合は “どだい”無理です。その場合は、
ブリッジそのものを設計し直さなければなりません。費用も時間もかかります。
支台歯 がしっかりしている場合は、外した後、まず、
レジン(プラスチッ クの一種です)で仮の
ブリッジを作ってくれて、歯ブラシの仕方を 教えてくれ、歯周疾患や
う蝕をきっちりと治してくれる先生に治療してもらってください。
ブリッジを外してそのまま削って
ブリッジ を入れるようでしたら、また、
歯周病や
う蝕で作り直さなければな りません。このようにやりかえるにしても、歯と歯茎を大切にしてくれる歯科医師にかかってください。そのような歯科医院には必ず「
歯科衛生士」という職種の人がいます。
歯科衛生士が歯ブラシ指導をしてくれて、歯についた汚れをきっちりと取ってくれ、経過観察をしてくれる歯科医院をお選びください。 早くよくなって、「にっこり」と微笑む日が早く来ることを願っています。