仮歯で様子を見ましょう、と言って下さったのはとても良心的だと思います。
慢性疾患の歯で症状のない歯に手を付けた場合、悪いところを除去しなければいけないわけですが、そのために根の壁が極端に薄くなったり、場合によっては穿孔してしまうこともあります。
適切な対応をしたとしても、一定の期間の経過をみないと、悪い反応が出るのかの確認はできません。
2〜3か月の間には体調の変化もあるでしょうから、その場合には局所にも反応が起きてくることも考えられます。
予後に対してのある程度の診断の参考になります。
また、その間の
咬合による負荷に対するキャパの確認もある程度できるでしょう。
現在の健康保険制度では、
補綴物に対する管理責任の意味で補綴物維持管理料というものが設定され、算定している医療機関が殆どです。
これを算定した限りは2年間はその歯に対して責任を持つという意味です。
予後の悪そうな歯でも
補綴してしまうと2年間は再治療が必要な場合、
補綴に関しては医療機関の持ち出して治療しなければいけないことになっています。
例えば、
抜歯となってしまった場合は、欠損した当該歯の部分の、
義歯または
ブリッジにしても医療機関の責任で治さなければいけないことになっています。
そのような意味でも、危うい歯は抜いてしまったほうがやり直しを心配しなくてよいことになるのですが、1本でも大事にしていこうという先生の診療姿勢だと思います。
欠損に対しては、
義歯・
ブリッジ・
インプラントからの選択になるでしょう。