医療に正解はありません。
今回の件も非常に判断が難しいところです。
根尖病巣だと考えて痛みが出たので
根管治療をするというのは基本的には正しい判断だと思いますし、すぐに処置をしたほうがいいということも言えると思います。
でもその痛みの原因が
咬合することによって起きる力によって起きているのであれば、いきなりはずして
根管治療をするというのは間違いかもしれません。
また急に痛くなったということで根っこにひびが入ってしまったという可能性もあります。
その場合はずしてみてひびが見つかれば、もう
抜歯しか手がなくなってしまいます。
もしひびであっても痛みがないということなら、そのまま
咬合調整で何とか使っていくほうがいいという判断もできます。
(問題の先送りですが、それで何年もそのままという方も実際におられるのであながち間違いとは言えません。)
でもひびが入っている場合、数日、数週間でやはり腫れてきてしまい、やはり早目にしたほうが良かった、というような場合もあります。
抜歯後に
インプラントを考えるというような場合には(
ブリッジでもですが)
歯茎が痩せないように早めの判断のほうがいいこともあります。
でも現時点でひびが入っているかどうかなんてわかりませんよね。
このように判断は多岐にわたりどちらがいいかなんて言うのは誰にもわかりません。
患者さんが早期の治療を希望するのであればそれが正解ですし、そうでないならそれも正解だと思います。