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ラバーダムを使用せずに根管治療を行なう歯科医院は避けるべき?

正樹様50歳男性
歯の治療、とりわけ根管治療にはラバーダムの使用が望ましいとモノの本にありました。
しかし、使わずに治療を行う歯科医が大半だとも(特に保険治療の場合)。

使わない理由として、手間が掛かって面倒、そして保険点数が低い、という歯科医の怠慢及び経営上の理由を聞きましたが、これは事実でしょうか?
率直に言って、ラバーダムを使用せずに根管治療を行う歯科医は忌避したほうが無難でしょうか?

河原 雅朗 先生からの回答

河原 雅朗
奈良県
かわはら歯科クリニック
河原 雅朗先生
ラバーダムについてですね。

> 使わない理由として、手間が掛かって面倒、そして保険点数が低い、という歯科医の怠慢及び経営上の理由を聞きましたが、これは事実でしょうか?

だいたいその通りです。
少し訂正すると保険点数が低いのではなく点数がありません。
怠慢といわれるとそうかもしれませんが、一概にそうとも言えません。

一般的に資本主義の現代において費用を払ってサービスを受けるのに払った以上のコストをかけることはふつうあり得ませんよね。
例えば100円で仕入れたものを70円で売るというようなことはありえないということです。
ところがこの根管治療においては常態的にそういう状態になっています。
少し調べればわかりますが、根管治療の費用は世界では最低でも3万円から10万円、15万円の費用が掛かるとされています。
日本ではそれが高い奥歯でも6千円です。
丁寧に時間をかければかけるほど大赤字です。

根管治療だけでなく、型取りをするのも精密に採るには(例えば自費セラミックなら)シリコンがいいということは常識ですが、それを保険で使っていないから怠慢なのでしょうか?
様々なところで世界で一番良いとされている治療がコストの関係で制限されているのが保険診療です。
いい治療方法があるのにそれに制限をかけているとすればそれは日本の保険制度であり日本の保険制度の怠慢といえます。

なので治療結果を最善のものにしたいということならぜひラバーダムを使用してしっかりとした治療を行っているところを探すことをお勧めします。
(最初から自費、もしくは被せは自費となる確率は高くなると思いますが、そのほうがいい治療を受けることができると思います。)

酒井 信 先生からの回答

酒井 信
宮城県
にがたけホワイト歯科
酒井 信先生
根管治療は細菌を相手にしている治療になります。
細菌が根管内に侵入する機会を極力避ける努力をするためには、ラバーダムは重要なアイテムの一つです。
それではラバーダム防湿をすればそれでよいかと言えば、治療前にはその歯の周囲を十分に消毒しているか、そのほかにも消毒用のお薬を入れる際の仮の蓋(仮封材といいます)は何を使用するか、崩れたりしない密閉度の高いセメントを使用しているか、更に根管内に最終的に詰めるお薬は完全に消毒されているかなどなど、患者さんには見えない部分で考慮しなければいけない点はたくさんあります。
それら可能性全てを順守すれば健康保険で決められている1回の根の治療費1根管(前歯)280円・2根管(上顎小臼歯)340円・3根管(大臼歯)460円では賄いきれないことも事実です。
ラバーダムが無くとも治療できるケースもありますし、それをすべて怠慢と言い切ってしまうのも如何かと思います。
使用しない場合もそれなりに工夫しておられるはずです。
最近は治療用顕微鏡も開発されて備えている歯科医院もあります。
その中には、顕微鏡なしでの治療は考えられないなどとお話しする方もおられるようです。

それら全てを具備し、保険外治療です、と言われる診療所を選択するのであればそれはそれで良いことだと思いますが、だからと言って使用していない診療所を忌避する方が無難とは言い切れないでしょう。

渡辺 英弥 先生からの回答

渡辺 英弥
福島県
渡辺歯科医院
渡辺 英弥先生
基本的にはそう思いますが、ラバーなしでもきちんと防湿等コントロールできれば問題ないと思います。
ただ怠慢かどうかは難しいところで、1時間かけて根の治療をしても200円程度の評価しかされていない保険にも問題があると考えてはいますが。

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