歯のお悩み相談詳細

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海外で診察を受け、神経を取った歯の先に膿瘍があると言われた

もーにんぐ様33歳女性
こんにちは。初めまして。
今どうしようか非常に悩んでいるため、相談にのっていただけますでしょうか?
長文になりますが、どうぞ宜しくお願いします。

今、私はワーキングホリデーで海外に来ている身なのですが、治療費が高いということで恐れていたにも関わらず、この度下の右の奥歯が痛くなってしまいました。
痛み自体は激痛というわけではないのですが、何も食べていなくてもずっとじーんとした痛みがあり、ひどい時は痛み止めを飲まないと他のことに集中できないくらいの日もあります。

そこで耐えかねて、本日診察だけという名目で現地の歯医者に行ってきました。
そこでレントゲンを撮って確認してもらったところ、奥歯で過去に虫歯治療をして神経を取った歯の、神経の中に入っている薬が2つ根があるうちの片方だけ完全に尖端まで入りきっていないため、そこに菌が入り痛みが発症しているとの説明を受けました。

そこで質問なのですが、歯の神経というのは全て歯の尖端ギリギリまで長さがあるものなんでしょうか?
(レントゲンを見る限り明らかにもう片方とは白く薬が入っている長さが違いました)
ちなみに、その歯の下のあたりに黒い影が見えるとも言われ、これがまだ小さいが膿瘍だと言われました。

この膿瘍は上記の事柄が原因で併発したものですか?
また、この膿瘍はもう一度根の中を綺麗に掃除してもらい、薬を詰め直してもらったら自然と炎症がおさまり無くなるものなんでしょうか?

そして最後に、今日お世話になった先生はこれからその膿瘍が今より大きくなるか小さくなるかが自身の体調なども関係してくるから分からないし、化膿止めを飲むことも勧めないと言っていました。
化膿止めを飲まない方がいい一番の理由とは何なんでしょうか?

なんせ今回初めて海外で歯医者に行き、英語で診断を受けていたため、知らない歯科用語なども英語でたくさん出てきて全て完全に理解するのが難しかったため、こちらで改めて相談させていただきたく思いました。
状況によっては治療のために帰国するかしないかの判断も下さなければならないと思っており、悩んでいます。
どうぞよろしくお願いします。

河原 雅朗 先生からの回答

河原 雅朗
奈良県
かわはら歯科クリニック
河原 雅朗先生
根管治療でのお悩みですね
海外ということでとてもお困りのことと思います。

ただ、ある意味とてもこの状態というのが、国によって治療というものがどこを目指しているのかという所で面白いところです。

根管治療が必要となった今の痛みの出ている歯のことに関してですが、治療をすると費用が掛かります。
とても高いということですが、世界的に見ればそれが標準だと思います。
日本ではそれをたぶん5分の一から10分の一の費用でやっているということが現実なんです。
そこまでの費用を払えない人は普通は抜歯です。
それが世界標準なんです。(いい悪いは別にして)
忘れては困るんですが、日本の費用はその5分の1から10分の1の費用のさらに3割負担です。
とてつもなく少ない費用でその治療をお受けになっているんです。

そして歯科医学的に根尖にまで細菌が達した根尖病巣(今の状態)を治療するということは必ず治るとはいいがたい難しい状態です。
なので、日本でも結構そういう相談が多くネットで出回ります。
とても難しい治療なんです。


> そこで質問なのですが、歯の神経というのは全て歯の尖端ギリギリまで長さがあるものなんでしょうか?
> (レントゲンを見る限り明らかもう片方とは白く薬が入っている長さが違いました)

そのギリギリ、というのがなかなか難しいです。
レントゲン上では1mmほど足らない状態がいいという考えもありますし、そこは学派によって微妙に違います。
一番肝心なのはそこに細菌の増殖するスペースがないということです。

そして抗生物質の使い方も海外と日本ではだいぶ認識が違います。
日本では抗生物質という薬は薬価ということで日本国が決めており、だいぶ低く抑えられ、しかもその支払いはその3割負担というようにとてもとても安価です。
ですからとりあえずどんどん抗生物質を出しておこうという考えが多くなり、しかもそうしなかったために起こった問題に対して、裁判所でも出さなかったほうに責任を押し付けるような判断をしてしまっていました。
そういう歴史的、社会的背景もあり、日本では出すのが当たり前の抗生物質ですが、根尖病巣があり、急性化しておらず、根管治療が不十分という状況では歯科医学的に見れば抗生物質を出す意味があまりありません。

ということで痛みを何とかするために今抗生剤を出すというのは無駄という判断が、海外では普通になると思います。

医学の常識というのは、実は世界中、国によってほんとに様々あり、何が正しいことなのかということも言えないというのが現状なんです。

答えになっているかどうか、というより答えになっていませんが何かの参考にしてもらえれば幸いです。

渡辺 英弥 先生からの回答

渡辺 英弥
福島県
渡辺歯科医院
渡辺 英弥先生
通常は、根の先に近くギリギリに詰めるのが正解だと思います。
が、神経は生き物なので少し短めで詰めることもありだと思っています、主治医の判断でいいと思いますので。
根の先にの袋があり、症状がある場合、化膿止めは飲んだほうがいいと思います。

酒井 信 先生からの回答

酒井 信
宮城県
にがたけホワイト歯科
酒井 信先生
神経は歯から出ていると考えるより、体の中の神経が根の先から歯の中に入り込んでいると考えたほうが理解しやすいかもしれません。
その神経が虫歯の影響で感染したならば徐々に変性してきますので、すべて取り除き根の中を消毒し、根の先端を封鎖して歯の中の環境と根の外の組織を隔絶するのが根の治療です。
先端まで詰められていないということはその部分に感染した組織の取り残しがあるかもしれません。
それが原因で、根の先の組織が急性化して症状が現われてきた可能性があります。
尖端にできたの袋は感染による二次的な形成物ですので、感染源が無くなると、成長要素がなくなり生体にとってはただの異物になりますので自然に吸収されます。
抗生剤の服用を勧めないのは耐性菌を考慮しているからでしょうか。
抗生剤の使用については、日本人の感覚と諸外国では違いがあるようです。
症状は体調により発現する可能性があるので体力を消耗しないように心掛けてください。

(根の治療については、根が完成する前に根の治療が必要だった場合は、その時点では根の先まで薬を詰めても根の治療後に根が成長し薬が詰められていない部分ができてしまうこともあります。)

船津 三四郎 先生からの回答

北海道
船津歯科・矯正歯科クリニック
船津 三四郎先生
もーにんぐ 様、初めまして。
異国の地での歯のトラブルでお困りの事と拝察申し上げます。

> そこで質問なのですが、歯の神経というのは全て歯の尖端ギリギリまで長さがあるものなんでしょうか?

その通りです。


> この膿瘍は上記の事柄が原因で併発したものですか?

その通りです。


> また、この膿瘍はもう一度根の中を綺麗に掃除してもらい、薬を詰め直してもらったら自然と炎症がおさまり無くなるものなんでしょうか?

治る場合となかなか治りにくい場合が有ります。
(治すように歯科医師は頑張っております。) 


> 化膿止めを飲まない方がいい一番の理由とは何なんでしょうか?

一般的に、薬は、体にとって良いものでは有りません。
抗生剤の乱用により、耐性菌が発現して、抗生剤が効かなくなってきます。

更に、抗生剤で消炎しても、根本療法では有りません。
根本療法は根の再治療です。

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