もえりょう 様
歯のうずきもありご心配なこととお察しいたします。
1.いまうずいている歯を残すことはできないのでしょうか?ぜひ残すことを希望して歯科医師に伝えてください。身体の他の部分(たとえば手の小指)が病気になり、治りにくい場合、すぐに「根本から切り落としてください」とはいわないと思います。歯も同じです。残すための最大限の努力をしてみてください。ただ、その歯を残すことにより、もっと大きな問題が起こる場合や、残しても後全く使えない場合は別の話になります。そのあたりの説明をよく聞いて、いちど抜いた歯は戻すことができません。抜く前には慎重の上にも慎重になさってください。
2.説明をよく聞いた上で、どうしても残せない場合、後の処置を考えなくてはなりません。数件の歯科医師から聞かれたような治療法になります。その中で、「入れ歯も抵抗があり」とあります。年齢もお若いので、お気持ちはよく分かりますが、まず、
義歯(入れ歯)を選択してください。これはバネを掛けるための小さな穴を作るだけで、両隣の歯への負担は最小になります。いちどこれで半年(6ヶ月)ほどお使いになり、どうしても問題がある場合に他の方法を選択してください。
3.どうしても
義歯でだめな場合の次の選択は、歯の内側に引っかけて歯をつける方法(
接着ブリッジ。あるいは、アドヒージョンブリッジといいます)。これも歯をほんの少し削るだけ(全く削らないでできる場合と、少し削ってつける場合があります)でできます。ただ、この場合、以前、接着の技術がじゅうぶんでなかった時代に、「
二次カリエス」といって、
ブリッジをつけたところから
う蝕(
虫歯)が発生し、さらに悪くなるケースもあり最近はあまり取り組まなくなりました。しかし、最近の接着技術はとても向上しました。歯に負担の少ない方法だと思います。ただし、接着部分からの
二次カリエスが起こりやすいことから、後々定期点検は必須です(どの場合でも。ですが)。
4.その方法ではむつかしいようなら
ブリッジか
インプラントの選択になります。
ブリッジもきっちりと造り、後の定期点検をじゅうぶんにすれば長く持つことが多いのですが、身体の中で、もっとも硬い「
エナメル質」という防御壁を削るのですから、後の点検は特に慎重に、また、充分にする必要があります。
5.
インプラントは両隣の歯を削ることがないので、ある意味最も優れた方法だと思われます。最近は学問的にも技術的にも、とても向上して、以前に比べればずいぶん良くなったとされています。それでも、
ブリッジと
インプラントの経過を比較したものの5年後の統計では(いずれも5年前の学問と技術ですが、現在それよりは少し進歩している可能性がありますが)少し
ブリッジの方がよいという結果が報告されています。このように
インプラントといえども半永久的なものではないので、「骨の中に異物を入れる」ということを頭に入れ、後々の点検をひんぱんに行う必要があります。
6.現在の
口腔状態について、
1)どうしてその歯が問題を起こしたのか?
2)そのような問題を起こさないために、治療前、治療後の
ブラッシング(歯磨き)の方法や
メインテナンスについてじゅうぶん教えてくれる歯科医院であるか?
3)
インプラントや
ブリッジについて過去にその歯科医院で行った症例を見せてくれ、現在の状態も
口腔内写真や
レントゲンで見せてくれるような歯科医院であるか?というようなことで治療してもらう歯科医院をお選びください。
今の傷みが早く治り、元気においしく食事ができるように願っています。