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ご相談

2009/12/02

親知らずの抜歯が全身麻酔と入院で、とても不安です。

テンジン様44歳男性
初めて利用します。宜しくお願いします。

下の左右の8番に親知らずがあります。
先生から左右共に、歯の一部が見えている状態で、水平埋伏智歯(?)と聞いています。
先生は、レントゲンを撮影したところ深い場所にあるので、次回にCTを撮影しますと言われています。

現状は腫れたり、虫歯はありません。
先生からこの状態で一生問題なく過ごすことは難しいと聞いています。
腫れてから抜くより今、抜歯した方がダメージは少ないと言われています。

また、抜歯の場合は、入院が必要とのことです。
全身麻酔のため手術の2日前から入院して、手術後は7日間入院する必要があります。
今まで、歯を抜くのに入院が必要と言うことを聞いたことがないことと、全身麻酔や神経麻痺などを、考えると非常に心配です。

抜歯をした方が良いのか?
暫く様子を見た方が良いのか、全身麻酔と入院への不安で、全く判断できる状態にありません。どのように考えれば、良いのか教えてください。宜しくお願いします。

名越 充 先生からの回答

大阪府
名越歯科診療所
名越 充先生
歯を抜くだけで入院という感覚はなかなか受け入れ難いかもしれません。しかし、たかが歯、されど歯なのです。

 親知らずも普通に生えている場合なら入院も必要ないかもしれませんが、横に寝ている場合や顎の骨の中に埋まっている場合は、患歯・歯根下歯槽神経・下歯槽動脈という大切な神経・動脈に近接していることが多く、そうした神経・動脈を守るために顎の骨を削合して歯を割って少しずつ摘出しなければならないのです。そうした処置の場合、手術は1時間以上の長時間に及ぶことがあり、意識下で患者さんが口を開け続けることはかなり困難ですから、手術の安全・患者さんの体への負担を軽減する目的で全身麻酔での手術をすすめる場合が多いです。

全身麻酔というとなんだか仰々しく聞こえるかもしれませんが、静脈内にウトウトと眠る薬を注入する形の麻酔ですので、手術が終われば目が覚めるように麻酔医が薬を調節し、実際目が覚めた状態で帰室していただく場合がほとんどだと思います。

 神経の麻痺についてはおそらく担当医からも話があったと思いますが、術後、稀に症状の出る方はいます。そのため、できるだけそのリスクを避ける目的でCT撮影をし、根尖下歯槽神経・動静脈との関係を精査するのです。

 今回手術を見合わせたとしても、その歯と神経の位置関係は変化ありませんし、高齢なればなるほど手術は難しくなり、骨を削合する量も増えていきますので、術後の出血するリスクも高くなります(骨を削るということは、骨の中にある骨髄を削ることですから、骨髄の中にある小さな血管を傷つけますので骨を削れば削るほど出血します)。今手術ができる状況であれ
ば、受けられることをお勧めしたいですが、ただし、術後顔はかなり腫れますし、口も開きづらくなりますので、冠婚葬祭や大事な用事がある場合は日を改めたほうが良いと思います。
 
最後に私が所属していました京都大学では、移植治療が盛んに行われていますが、この移植の前に必ず口腔外科での診察があります。親知らずが残っているかどうかを確認するためです。親知らずは歯の中で一番ばい菌に感染しやすく、不潔だと言われています。その親知らずが残っている状況で移植手術を受ければ、移植後の免疫抑制剤の影響で親知らずに潜伏していたばい菌が増殖し、移植自体を台無しにするのです。ですから、移植チームはこの親知らずがあれば手術は中止にします。
 

たかが歯されど歯なのです。担当医ともう一度自分の不安について正直に話をして判断してください。

河原 雅朗 先生からの回答

河原 雅朗
奈良県
かわはら歯科クリニック
河原 雅朗先生
抜歯をしたほうがよいかどうか、その判断は非常に難しいです。

もし抜歯をしなくて、将来大きくはれたり、手前の歯が虫歯になって痛い思いや、最悪の場合、手前の歯も抜かなくてはいけなくなることになったら、あの時抜いておけばよかった、ということになるでしょうし、逆に、麻痺などが残るようなことになった場合、抜かなければよかったということになるでしょう。

しかしその抜歯のためにCTを撮影し、入院で抜歯を行うというのは今のところ考えられる治療法の中で一番安全性を高めようとする方法です。
ただ、入院となるとどうしても会社を休まなくては行けなくなったり、全身麻酔に関しての、リスクというものも考えられます。
(ただ歯科での全身麻酔ということに関しては静脈鎮静法などの方法を全身麻酔とわかりやすく説明することもあるので、それほどリスクの高い
ものではないと想像します。)

外来で行うところもあると思いますし、できるかどうか聞いてみるのも一つでしょう。

いずれにしても、早い方が抜歯をしやすいという年齢的な条件というものも存在します。(骨の柔らかさなど。)
あとこれは施設によってしているところがあったりなかったりなのですが、2段階に分けて抜歯をするという方法もあります。

それぞれにメリットデメリットが存在します。それらをよく聞いて納得したうえで治療法を選択してください。

玉置 敬一 先生からの回答

玉置 敬一
和歌山県
玉置歯科医院
玉置 敬一先生
テンジン 様

入院のお話が出たので大変心配なさっているご様子がよく分かります。
次回CT撮影をした後、状態をよくお聞きになり、判断なされるのがよいと思います。

その8番の水平埋伏歯の状態が分からないので、一般的なお答えになりますが、次の2点についてお答えします。
1.抜歯をした方が良いのか?暫く様子を見た方が良いのか?
2.入院して抜歯をしなければならないのか?

まず1番目。抜歯の必要があるかどうかについては、先に述べたようにCTの結果を説明してもらってから、それをもう一度書き込んでいただけるともう少し的確なお答えができるのではないでしょうか。

普通、口腔内に一部出ている場合は、手前の第2大臼歯(7番)との間に食渣(たべかす)が入り細菌の温床となります。そのために智歯(8番)だけでなく手前の歯にまでう蝕や歯周病で問題を起こしてくることがあるために抜歯をすすめられたのだと思います。この判断は正しいと考えます。

しかし、今症状がないようなので、「すぐに抜歯」とお考えにならないで、お仕事や日常の生活の中で体調を整えやすい時期を選んで手術をしてもらうのがよいのではないでしょうか。

2番目。入院が必要かどうか?口の中に一部が見えている状態であるならそんなに深い場所にあるとは思えません。この場合は大学病院や総合病院の歯科口腔外科で通常通院で抜いてくれます。
しかし、入院を勧められたことからすると下歯槽管(下顎の太い神経や動脈を入れる管)の中に根尖(こんせん:根のさき)が入っているか、あるいは普通の通院では問題が生じると判断する材料があったと考えられます。
CTの結果をよく聞かれてご判断ください。

もしお近くに口腔外科があるようでしたら、今お通いの先生にお願いしてCTと先にとってもらったレントゲンをお借りして、セカンドオピニオンで歯の状態をお聞きになるのも良いのではないでしょうか。
智歯の状態が分からないのですが、8番の相当むつかしいケースでも術前術後9日間の入院というのは長いようにも思います。

早く安心できる状態になるように願っています。

渡辺 英弥 先生からの回答

渡辺 英弥
福島県
渡辺歯科医院
渡辺 英弥先生
親知らず抜歯で入院することは時々聞きます。
通常は外来で一本ずつ抜歯することが多いと思います。
この場合、両方いっぺんに抜く予定にしているようなので、入院なのではないでしょうか。

この判断は難しいですよね。入院となると、私も躊躇します。
現在無症状であることから、何か症状がでてから抜くのもひとつの考え方です。
よくメインテナンスをかけて腫れたりしないようにすることで対処できるような気もします。

後は、ご自身の希望を最優先して決められて良いと思います。

田邉 美樹子 先生からの回答

大阪府
筒井歯科医院
田邉 美樹子先生
まだお若いですし、一生何も起こらないかといわれると、多かれ少なかれ何か症状が出る可能性が高いと思います。

抜けるようでしたら抜いたほうがよいのだろうと思いますが、さすがに入院してまでということですよね。

歯の埋まり方にもよりますので、この場ではきちんとした回答をすることが出来ないのですが、当院にも「入院して抜歯」と言われた患者様がお越しになられることがあり、ご相談を受けることがあります。

そのような場合、当院の外来で抜歯をすることが多いです。

ですから、お近くの医院でも、外来で抜いて頂ける医院様があるのではないかと思いますので、一度探されてはいかがでしょうか。

藤原 慶輔 先生からの回答

藤原 慶輔
京都府
ふじわら歯科クリニック
藤原 慶輔先生
状態のよっては抜歯した方がいいと思います。

また入院の件ですが、親知らずの生え方によっては、入院した方がいい場合もあります。

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