むし歯が神経に達していても慢性化した炎症の場合それほど痛まないこともあります。
ただそれを治療しようとするとむし歯の部分を削っていかなくてはいけません。
削るというのはいわば外傷に相当しますので、当然炎症が起きます。
急性化することもあります。
もちろんむし歯が残っていれば細菌感染もあるのでそちらでも炎症が起きる可能性が有ります。
急性化した炎症はもちろん自然に治っていく場合もありますが、
歯髄のように狭く体積が決まった状態で炎症が起きると、普通なら腫れるところをもとの体積にまでギュッと押し戻すような状態になります。
腫れたところを思いっきり元の大きさに縛り上げたらもっと痛みますよね。
そう、悪循環でどんどん炎症がひどくなっていってしまいます。
そうなると歯の中の神経、
歯髄は自然と
壊死してしまいます。
急に痛みがなくなってしまうという状態です。
決して治ったわけではありません。
しばらくしたら結局感染して今度は
根尖の部分から骨にまで炎症が及んでいきます。
今の状態ではもちろん何とか治る場合もあり得ますが、結局待っても勝手に神経が死んでしまう場合も十分考えられます。
だとしたら下手に感染させてしまうよりも、また痛みを軽減するためにも神経をとってしまったほうがメリットが大きいということになります。
今の状態でももちろんしっかりと神経の炎症を抑える薬を置いてそのうえで仮のふたをしていると思います。
それでも沈静化しないのであればあきらめるしかありません。