てらのり 様
妊娠されるまでに歯科で予防をしてもらい
う蝕(
虫歯)が無い状態にしておけば良かったですね。 しかし、今言っても始まりません。既に7本の
象牙質まで達する
う窩があると言うことで、ご質問は以下の2つ。
1.妊娠中に治療すべきかどうか?
2.妊娠4ヶ月で
麻酔が胎児に影響がないかどうか? この2点についてお答えいたします。なお、頭痛については次に‘てらのりさん’からいただいたご相談で回答いたします。
回答
1.本来は先に書いたように独身の間に治療すべきでした。今治療するかどうかの前に、生まれてくるお子様のために、残り6ヶ月で同居家族(ご主人、おじいさん、おばあさん)全員が歯科で歯磨き指導を受けられ、お口の中に
う蝕の原因となる細菌数を最少にしておくことをお勧めします。「生まれてくるお子様への最大のプレゼント」とお考えください。 これは、「同居家族の口腔清掃を39ヶ月、きっちりとした家庭に生まれたお子様は大人になっても歯に関する問題が少ない」という報告があります。このことからぜひ歯科医院へ皆さんそろって行かれるようにお勧めします。
さて、あなたのお口ですが
C2というとかなり進んだ状態です。歯科医師とよく相談なさった上で、
歯科衛生士による手入れとご自身への歯磨き指導で、
う蝕の進行を止められるかどうかだと思います。もし、
フッ素を使い、ていねいな歯磨きを行い、進行を止められるようでしたら、ご出産後に治療を受けても良いかと思います。しかし、進行していくようでしたら、できるだけ早く治療をお受けください。
C2の状態によっては、
麻酔を使用しないでていねいに
軟化牙質(細菌に感染した
象牙質)を取ることにより、治療が終了する場合もあります。もっと進んでいる場合は、神経をさわらなければならないケースもありますが、この場合でも
抗生物質を組み合わせてその局所(
虫歯の悪いところ)に貼付することにより、少しの炎症なら神経をさわらないですむ場合もあります。いずれも早ければ早いほどよいので、歯科医師とよく相談して悪い箇所の進行具合をよく診てもらい治療を受けてください。
2.妊娠4ヶ月で
麻酔を使用して問題が起こることはないと考えられています。お母様としては、「子供に影響が出ないように」という優しい親心はよくわかります。しかし、あまり心配しないでよいのではないでしょうか。 あなたは妊娠4ヶ月でう蝕に気がつき、大変困りました。 どうかお友達や周りの若い奥様方に「早く歯科医院へ行き、悪くない間にきっちり予防をする」ということがいかに大切であるかをお話しになって、困る人を一人でも少なくなるようにしてあげてください。 元気なお子様を生んであげて明るい家庭を作ってください。