歯の中には
歯髄という
軟組織が中にあるんですが、この組織は普段は外に触れることなく人間の体の中でいちばん硬い組織、歯によって取り囲まれているので熱いもの,冷たいもの、機械的刺激をすべて痛いというように感じる組織です。
これをいわいる歯の神経と言っています。
普段はこのように硬い組織に守られていますが、むし歯によって歯が侵食されると痛みが出てくることがあります。
詰め物がとれて半年くらいあいているのでその間に
虫歯が進行していたのかもしれません。
でもできるのであれば神経を残し、
詰め物をつけるだけで神経をとるという処置を先延ばしにした方が、歯の寿命としては延びるので、
詰め物をそのままつけたのだと思います。
もしその時に神経に近いししみているから、神経を取りましょうということ
になると、その歯科医を信頼していましたか?
そしてその後の処置ですが、うまくすればそのまま数年先まで痛みが出ない可能性もありました。
今回は痛みがすぐに出たので不審に思ったようですが、症状というのは人それぞれでいついつまでは大丈夫というようなものではありません。
かみ合わせの強さや
虫歯になりやすさ、その他の要因で年月はすぐ変わってきます。
急激に痛みが出たというときに多いのが歯にひびが入った時ということがよくあります。
歯髄が炎症を起こすと、
歯髄は充血して痛みが急激に出て、そのまま死滅してしまうことがあります。神経が死ぬというのはそういうことです。
歯髄組織も肉なので血行が無くなって死んでしまえば腐ってきます。
腐った組織がそのまま歯の中にあると根っこの先からその毒素が出て骨を溶かして
膿をもつことがあります。
なので神経が死んでしまった場合には根っこの中の腐った肉をきれいに取り除き消毒したのちつめるという根っこの処置をする必要があります。
説明不足と、処置が後手後手に回っているという感じはしますが、先手を打って処置をすればいいというものではないことは先に書いたとおりです。(
虫歯になったら、根っこの処置をして、その後に何度か腫れて、最終的に歯を抜くことになるから痛む前に抜いてしまえ、というのがいい処置かどうか考えればわかると思います。)
残念ながら歯の治療は全く元の状態に戻すことが治療ではありません。(それはできません)出来るだけ元の状態に近づけるよう、最善の努力をするというのが歯科治療です。
どうしても不審に思うようであれば歯科医院を選ぶ権利は患者側にあります。
ぜひもう一度話をよく聞いて、治療をがんばってくださいね。