さくら 様
「入院」「
全身麻酔」「神経に接している」などお聞きになられるときっとびっくりなさったことと思います。
親知らずの
抜歯を迷っておられるのはよく分かります。もし受診している歯科医師か、あるいは説明を受けた
口腔外科でもう一度お聞きになる機会があれば「
親知らずがどのような角度で埋まっているのか」についてよく説明してもらってください。
まっすぐ上を向いて埋まっているようでしたら無理に抜く必要は無いと考えます、ただ、最近ほとんどの患者さんの
親知らずは、斜めになったり、
水平埋伏(真横になって埋まっている)の状態になっている事が多いのです。
この場合は前の
第2大臼歯にひっかかって将来問題を起こす可能性が大きくなります。この場合はできれば
親知らずを抜いてもらったほうが良いと思います。
神経に近いというのは、最近の日本人のあごが小さくなってきており、
親知らずの
根尖(根の一番先で細くなっているところ)の位置が
下歯槽管という太い神経と太い血管を入れた管にとても近いという事を説明したのでしょう。
最近の医療は、処置によっておこる可能性のある事(確立が高い低いは関係無し)に対し、十分な説明をする事を求めています。
インフォームドコンセント(説明と納得)と言います。「おこる可能性が少しでもあると説明をする」ということで、可能性が大きいわけではありませんが、全くおこらないという事でもありません。
親知らずが斜めや水平で埋伏している場合、その親知らずがある事により、
第2大臼歯との間に食滓(食べかす)が圧入され、そこから
う蝕(
虫歯)になったり、
歯周疾患(
歯槽膿漏)になる可能性が大きくなります。
第2大臼歯の将来を考えると、もし、
親知らずが斜めや、水平に埋伏しているようでしたら、その
親知らずは
抜歯してもらった方が良いのではと思います。
もう一度
レントゲンを見せてもらって十分な説明を受けて納得なさってから決められたらいかがでしょうか。
重ねて書きますが、まっすぐに出てくる可能性があり、その歯が正常に生えてくるだけのスペースがある歯であれば、無理に抜く必要は無いと考えます。