1.矯正治療の始める時期
症例は、60歳前に矯正を始めたケースで、過蓋咬合(かがいこうごう)と顎の位置のずれがあり、体調が悪かった例です。2年ほどかけてずいぶんそろってきました。体調もすっかり良くなり元気に通ってくれています。
矯正治療が必要と思われる人は、できるだけ早く歯科医師にご相談ください。
顎骨(顎の骨)ができる間にアーチを大きくできれば、歯を抜かないでできる場合もあります。
2.矯正治療の流れ
1)はじめに
先ずは、歯科医院で矯正についての希望を伝え、う蝕(虫歯)など必要な治療や予防をきっちりと行います。
2)検査
歯の型を取り顎の大きさと歯の大きさを計測します。
レントゲンで骨格を調べます。 検査費用が必要です。
3)診断・治療計画
検査結果から、診断をし、治療計画が出ます。 費用も概算が出ます。 ここで実際にするかどうか決めます。 診断、相談料が必要です。
4)矯正開始
義歯のように取り外し、できる装置にバネをつけて口の中に入れます。取り外しができるので大人が仕事をしながらでも矯正できます。
ワイヤーを使った矯正:ブラケットという小さなものを全部の歯に貼り、ワイヤーを通して、ゴムで固定します。
5)調整
1ヶ月に約1回調整をします。バネやワイヤーの調整。 ゴムの取り替えをします。 1年半から2年かかります。
6)終了
審美的、機能的に満足のできる結果が得られれば、終了です。 装置をはずします。 実はこれで終わりでありません。
7)保定(ほてい)
ここからがとても大切で、後戻りしないように夜寝るときに、装置をはめます。 これをきっちりはめなかったために後戻りして、 もう一度、矯正をする人もいます。
3.矯正治療の費用
- 矯正費用はケースにより、また、使用する装置などにより、ずいぶん違います。
- いずれにしても、ずいぶん費用がかかる場合があります。(以前に比べて、だいぶん安くできる場合もあります)。
- 先天的なもの、顎骨を外科処置する必要のあるケースなどでは、保険適用の場合もあります。(全部保険が認められないと、はじめからあきらめないで相談してください)。
- 矯正に限らず、歯科治療で費用がかかった場合、医療費控除が受けられます。
4.おわりに
- 口元を気にするために社会生活が円滑に行かない。大きな声で笑えない。人との会話ができなく、引っ込み思案になる。など、「単なる歯並び」と軽く見ることができません。深刻な悩みを抱える人がいます。
- 一度、矯正専門医や、近くの歯科医院を訪ねて相談だけでもしてください。意外と問題解決に近づけるかもしれません。
- また、このような家族や、お友達を見かけたら、ぜひ教えてあげてください。
- 歯科医療は日進月歩。解決方法が見つかると思います。
- 口もとすっきりで、楽しい生活を送ってください。