1.う蝕(虫歯)のできやすい場所
1)小窩裂溝う蝕(虫歯)
う蝕(虫歯)は、できやすい場所があります。できやすい場所を写真で見てみましょう。
臼歯部の咬合面(咬む面)は、小さな溝(黄色の円)や、くぼみ(緑色の円)が見えます。
また、前歯部の内側(口蓋側とか舌側と言います)にも見られます(赤い色の円)。これらを小窩裂溝(しょうかれっこう)と言います。
そこには食べ物や細菌がたまりやすく、特に子供の歯は小窩や裂溝が深く、ここからう蝕(虫歯)になることが多いです。
また、外から見てそんなに深くないと思われるう蝕(虫歯)でも、表面を削ってみると、意外に深く浸食されている場合もありますので、自分で判断しないで、専門家に診察してもらってください。
既にお話ししたように、色々なう蝕(虫歯)検出方法が開発されて、早く見つければ必要以上に歯を削らないで済みます。
2)平滑面う蝕(虫歯)
歯の「つるっ!」とした部分は、通常、う蝕(虫歯)には、なりにくいところです。
しかし、乳幼児が常に、ほ乳瓶をくわえて寝てしまったり、永久歯でも、歯の面に‘べたべた’した食べ滓を着けたままで生活すると、下記の写真のようにう蝕(虫歯)になります。
3)接触面う蝕(虫歯)
2.う蝕(虫歯)の進行
- 歯の表面にできたう蝕(虫歯)は、う窩(虫歯の穴)になります。このころに‘しみ’始めます。
- 神経の穴の中に細菌が侵入し、神経や血管を殺します。そのときにとても痛い思いをします。
- さらに神経の穴の中を深く細菌が侵入し、歯の根っこの先から外に出ます。
- そこに膿(うみ)の袋を作ります。下記、右写真の青色で囲んでいる部分は、根の先から歯の外に出た細菌によって作られた膿(うみ)の出口です。
3.根っこの治療(根管治療)
膿(うみ)の袋から歯ぐきの外に出た細菌も、神経の穴を完全に治療すると膿(うみ)の袋がなくなる場合があります。下記の右の写真は、治療途中の歯で、細い‘やすり’のような道具を使って、感染した歯髄腔を治療しているところのレントゲン写真です。
4.根っこに薬を詰める(根管充填)
下記のレントゲン写真は、根管に長くもつ薬をきっちりと入れて、填塞したものです。このようにきっちりと治療をすると、下記の右の写真のように、ほぼ1週間で、膿(うみ)の出口はふさがれます。完全に治療できると、1週間位でこのようにきれいに膿(うみ)の袋がなくなる場合があります。
5.う蝕(虫歯)の治療方法
1)C0
2)C1
3)C2
4)C3
歯髄腔(歯の中の神経や血管の入っている穴)の中まで細菌が入ると、神経の治療をしなければなりません。
5)C4
根っこだけになると、抜かなければならない可能性が大きくなります。早く治療して、根っこが健全であれば、その根を土台にして歯を作ることができます。