第10回講座 ホワイトニング 1

1.ホワイトニング(ブリーチング)

白い歯

最近、いろいろなメディアを通じて、歯の、ホワイトニングとかブリーチングという言葉をよく聞かれると思います。これは、黒ずんだり、黄色くなった歯を白くする最近の歯科技術の一つです。審美歯科とか美容歯科といわれる領域の歯科治療の一つです。

2.ホワイトニングの実例(オフィスホワイトニング)

術前
ホワイトニング前の歯の写真

左写真は術前で、犬歯のあたりが象牙質の色が黄色くなっているのがよくわかります。

術後
ホワイトニング後の歯の写真

左の写真は、術直後。このようにオフィスホワイトニングでは直後にかなり白くすることができます。

プラークを取り去ったきれいな歯

プラーク歯垢:歯くそ)がいっぱいで、歯肉は炎症(腫れている)を起こしていました。きちんとした歯みがきができるようにブラッシング指導し、自分でとれないところを歯科医師と歯科衛生士できれいにして、プラークを取り去ったところです。こんなにきれいな口になると、歯は長持ちします。

3.歯の色はいろいろ

ファインマン分類 1
ファインマン分類1
ファインマン分類 2
ファインマン分類2
ファインマン分類 3
ファインマン分類3
ファインマン分類 4
ファインマン分類4

写真は昭和大学・歯学部・齲蝕・歯内治療学講座 久光 久教授のご厚意による

歯の色は一見同じように見えますが、ようく見ると、このように色々な歯の色があります。この分類にあるように、比較的色の薄いものから、非常に黒いものまであります。この中ですべてがホワイトニングできるというわけではありません。また、色が比較的薄いからホワイトニングが簡単ということでもないのです。いろいろある中で、方法をよく見つけていくことが必要です。そのための診断、あるいは診査というものが必要となってきます。

4.何故、歯は白くないの?

ホワイトニングをしたいと思われたあなた。あなたの歯が、なぜ白くないのでしょうか?

実は、歯というのは歳と共に少しずつ、本当に少しずつ象牙色が濃くなっていくものなのです。「その色が少しでも薄くなれば」と思っておられるのでしょうか?

あるいは、かつて歯を悪くしたために、その歯だけが黒くなっているのでしょうか?

あるいは、小さいときに抗生物質を使い、そのために歯が黒く見えるのでしょうか?このような歯を白くする方法などを見ていきたいと思います。なかには、ホワイトニングだけでは白くできない歯もありますが、最後までご覧ください。

5.ホワイトニングをする前に!!

歯を白くしたいという願望は皆さんお持ちだと思います。

そのためには、基本的に

  1. まず自分の歯を悪くしないこと。
  2. セルフケアー(本講座1回目、2回目参照)をきっちりすること。
  3. プロフェッショナルケアー(同上)をきっちり受けること。

などが必要です。しかし、運悪く歯が黒くなった場合は、歯を白くすることが必要になります。 

6.何故、ホワイトニングするの?

歯を白くするのには、3つの目的があります。

  1. 自分の歯をさらに白くしたい場合。
  2. 歯胚(歯が歯肉からまだ出てきていないが、歯の原器が歯肉内にある時期)ができつつあるときに、テトラサイクリン系など抗生物質を服用して、永久歯の歯が黒く着色する場合があります。これを白くしたい場合。
  3. 歯が悪くなり、歯髄腔(歯の中で神経や血管が入っている場所)の中で出血し、象牙細管という細い管の中に血液が入り、その中で、ヘモグロビンが酸化して、外から見ると歯が黒くなって見えることがあります。これを白くしたい場合。 などです。 

7.審美歯科・美容歯科

  1. 歯を白くするのは美しくなりたいからです。
  2. 歯科ではこれを審美歯科とか美容歯科とかいいます。
  3. これは、歯を白くするだけではなく、歯ならびを治し、歯の形を整え、顔と調和のとれた歯や歯ならびを回復することを意味します。単に歯を白くするだけでなく、総合的な診査、診断が必要です。

8.ホワイトニングの重要性

  1. 歯を白くすることは、「自分に自信がつく」とか「コミュニケーションがうまくいく」といったことや、美容の観点からも大切なことです。
  2. しかし、「歯」そのものをまずきれいにして、それからホワイトニングを考えないと意味がありません。その点でも、通販で提供される「自分でできるホワイトニング」はおすすめできません。
  3. きっちりと歯の検診を受け、細かいところの歯の汚れ(自分の歯磨きではとうていきれいになりません)をプロフェッショナルケアーで取ってもらい、それからホワイトニングをすると効果もあがり、仕上がりもきれいになります。