1.歯周病(歯槽膿漏)セルフチェック
歯ぐきの状態 | 点数 | |
---|---|---|
1 | 歯ぐきの色がサーモンピンクのきれいな色である。 | 0 |
2 | 歯ぐきが赤く(あるいは紫色に)腫れている。 | 5 |
3 | 歯ぐきが‘むずがゆく’、歯が浮く感じがする。 | 5 |
4 | リンゴをかじると、血が出てくる。 | 5 |
5 | 口臭がある。 | 10 |
6 | 朝起きたとき、口の中がネバネバしていて、気持ちが悪い。 | 10 |
7 | 虫歯がないのに、水を飲むと‘しみて’、気持ちが悪い。 | 10 |
8 | 最近、歯が長くなったように見える。歯と歯の間に隙間ができた。 | 10 |
9 | 歯ぐきが腫れて、プヨプヨする。 | 10 |
10 | 歯ぐきから自然に血が出ている。 | 10 |
11 | 歯が動いて、ものが噛めない。 | 10 |
合計 |
- 0点
あなたの歯肉(歯ぐき)は、現在健康です。今後とも検診を受けて健康維持に努力してください。
- 5点~25点
歯肉(歯ぐき)の状態は感心しません。早く歯科医院でチェックを受けてください。
- 26点~49点
歯肉炎あるいは歯周炎の疑いがあります。至急歯科医院でご自分の口腔状態を確認してもらい、早期に治療を受けてください。
- 50点以上
歯周病(歯槽膿漏)が相当進行しています。至急歯科医院で治療を受けてください。放置すると歯を残すことが困難になる可能性があります。
2.歯周病(歯槽膿漏)とは
3.健康な歯肉(歯ぐき)と病気の歯肉(歯ぐき)
自分では気がつかないうちに、歯周炎にかかっていた状態です。
4.骨吸収像(レントゲン)
5.歯周病(歯槽膿漏)の進行
健康な歯肉(歯ぐき)の状態です。
6.立体的に骨の吸収を見る
7.どうして骨まで破壊されるの?
私たちの口の中には、500種類以上と言われる微生物(ウィルス、細菌、真菌(カビ)、原虫など)が住んでいます。この中には人間にとって、善玉もいれば悪玉もいます。悪玉が簡単に体の中に入らないのは、体の防衛力(免疫力、唾液による洗い流し、重層扁平上皮という保護機構など)が働いて、これら外来の敵と戦ってくれています。
しかし、歯の周りをいつも汚くしていると、防衛力が追いつかず、それに対応するためにいろいろな変化が起こります。歯肉(歯ぐき)が赤くなっているのは、外来の敵と私たち自身の細胞などが戦っている結果です。外来の敵が多くなると、さらに深く、特に骨の中に敵が入ると大変なことになるので、私たち自身の「破骨細胞」という細胞で自分の骨を壊し、敵が骨の中に入らないようにします。これが歯周病(歯槽膿漏)で、細菌などによって骨が溶かされるのではありません。
歯周病(歯槽膿漏)が悪化してくると、歯周病菌(歯周病の原因菌)と言われるような微生物が増えてきます。これら微生物の細胞の細胞壁にエンドトキシンという毒素があります。それに私たち自身の防衛力である細胞のマクロファージとかリンパ球が反応して、その細胞が活性化することによって、プロスタグランディンとか破骨細胞活性化因子というような化学物質が産生されます。そのような物質に反応して、破骨細胞が働き始めます。そうすると、歯を支えている歯槽骨の吸収がどんどん進んでいく、これが歯周病(歯槽膿漏)です。
このように、口の中の病気は、外来の寄生体(細菌など)と宿主(自分の体)のせめぎあいです。自分の全身状態も良くし、悪玉が寄り付く隙を作らないようにすることが大切です。しかし、いろいろな全身の病気があり、そのために口の中の病気が悪化することがあります。体の状態をできるだけ早く、できるだけ良い方向へ向けるように努力しましょう。